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クマが里山に“移住”してきた理由

 何よりも米田さんの撮るクマたちの表情は、人間が近くにいるとは思えぬくらい穏やかだ。

「とくに広島のクマとは顔見知りみたいなもので、他のクマといるよりも私といる方が安全とわかっているんだと思います(笑)」

2014年広島にて撮影。ツタを渡って林間を移動していたクマが足を踏み外して20分間悪戦苦闘した/撮影 米田一彦

 一方で最近では、クマ出没のニュースが世間を騒がせることが多くなった。なぜこれほどクマの出没が増えているのだろうか。

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「一言でいえば『里山の奥山化』が原因です。昔はクマは奥山にしかいませんでした。しかし近年、人里近くの里山が手入れする人がおらず荒廃し、地球温暖化の影響でクマにとって好生息地となり、そこに母子グマや若いクマが奥山から居つくようになった。実はクマにとって最大の敵は他のクマで、彼らは奥山にいる大きなクマを避けて“移住”してきたわけです」

撮影 米田一彦

 里山にクマが増えれば、人間との遭遇が増えるのは当然だ。この状況にどう対応するべきなのか。