それでも、村谷さんや周りにいてくれる人たちのおかげで、少しずつ自分の力で生きていかなきゃいけないって思えるようになりました。応援してくれる人の言葉に耳を傾けていきたいなって。
自分のような生きづらさを抱えた人の助けになれたら
——著書のあとがきで、「今も自己肯定感があるかは疑問だけど、それでも死ぬのは駄目だ」と綴られていたのも印象に残っています。
豆塚 正直、私は今も自己肯定感があまりないのかなと思っていて。というか、自己肯定感そのものを疑っている。だって「ありのままの自分を認める」なんて、ちょっと胡散臭いと思いませんか?
それに最近わかってきたのは、「ありのままでいい」というのは、何も努力していない「そのままの自分」を肯定することとは少し違うのかもしれないのかなと。今何かを頑張っているとしたら、その伸びしろも含めてどうにか頑張ろうとしているあなたが尊いんだ、ということのような気がしていて。
村谷さんをはじめとする私の周りの人も、きっと「君はそのまま頑張ればいいんだよ」という意味で私を肯定してくれているような気がします。
——ありがとうございます。最後に、今後どのような活動をしていきたいか教えていただけますか。
豆塚 これからも本は書き続けていきたいですね。小説にもチャレンジしたいですし。大学に行けなかったから、大学院などで、自分のような生きづらさを抱えた人の助けになれるように勉強したい気持ちもあります。
自分の「居場所」で悩んでいる人に伝えたいこと
——生きづらさを感じている人、特に未成年で居場所がなく苦しさを感じている人へのメッセージもいただけると嬉しいです。
豆塚 まずお伝えしたいのは、今いる場所が苦しければ、逃げてほしい、ということ。それは、「死」を選ぶという意味ではなく、「苦しみから逃げるように生きて」という意味です。
私も「自分の居場所がない」と絶望して命を終わらせようとしたけれど、今こうして思いきり息を吸える場所にいます。10代の頃は、親や学校という閉ざされた環境が全てになってしまうと思うけれど、もう少し大人になれば、居場所を自分の意思で選択できるようになる。そうすれば、きっとこの世界のどこかにあなたが生きやすい場所はあるから、諦めないでほしいと伝えたい。
もし現実の世界で居場所が見つからなければ、本の世界とかでもいいと思うんです。私も辛いとき、本の世界に救われました。本という他者を通して自分と対話しながら、好きなことや、やりたいことを見つけていけば、少しは生きやすくなるのではないでしょうか。
撮影=深野未季/文藝春秋
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【厚生労働省のサイトで紹介している主な悩み相談窓口】
▼いのちの電話 0570-783-556(午前10時~午後10時)、0120-783-556(午後4時~同9時、毎月10日は午前8時~翌日午前9時)
▼こころの健康相談統一ダイヤル 0570-064-556(対応の曜日・時間は都道府県により異なる)
▼よりそいホットライン 0120-279-338(24時間対応) 岩手、宮城、福島各県からは0120-279-226(24時間対応)
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