めっきりプールに行く機会がなくなった。まあ、おじさんがひとりでプールではしゃいでいたら怪しいことこの上ないので、子連れでもない限りは行く機会がないほうが普通なのかもしれない。世間のおじさんの皆様も、きっと同じではないかと思う。プールといえば、せいぜいジムのプールくらいだ。

 それに、数年前に東京都心からはひとつの大きなプールが消えた。日本で初めて“流れるプール”を導入したとしまえん。それが2020年夏を最後に閉園したことで、東京都心から気軽に行ける巨大プールレジャーがほとんどなくなってしまった。プールレジャーを夢見る令和の中高生は、いったいどこに行っているんでしょうか……。東京サマーランドはちょっと遠いし……。

 などという与太話を編集氏としていると、「大磯ロングビーチってありましたよね」という話になった。

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 巨大なプールがいくつもあることは大前提、キャンペーンガールを務めるアイドルが毎年のようにスポーツ紙などで話題をさらい、時にはテレビのバラエティ番組のロケや一般の人も対象にした撮影会の舞台にもなっていた、あの大磯ロングビーチである。コロナ禍もあるのだろうが、最近あまりその名を聞くことがなかった。いったい、いまの大磯ロングビーチ、どうなっているのだろうか。

〈誕生60年超!〉キャンペーンガールの消えた“ナゾの海沿いの巨大プール”「大磯ロングビーチ」には何がある?

 “ナゾの海沿いの巨大プール”「大磯ロングビーチ」には何がある?

 そんなわけで、大磯ロングビーチにやってきた。大磯ロングビーチの最寄り駅は、JR東海道本線の大磯駅だ。大磯駅まで東京駅から約1時間。

 が、最寄り駅といっても実際は駅から歩いて行ける距離でもなく、バスかタクシーを使うことになる。夏休みシーズンや週末には駅からロングビーチ直結のシャトルバスも出ているようだが、訪れたのはただの平日。ちょうど駅前にシェアサイクルがあったので、自転車で大磯ロングビーチを目指した。自転車ならば、駅からおおよそ15分くらいの距離である。

 

 大磯ロングビーチは、海沿いにある。大磯の相模湾沿いに約1kmにわたって広がる、細長いレジャー施設だ。

 

 ただし、ビーチというがホンモノのビーチではなく、中にあるのは淡水のプール。1周500mに及ぶ流れるプール、全長約140m・高低差15mのウォータースライダー、最高で10mの高さからダイブできる飛び込み台、あとは定番の波のプールに本格的に泳ぎたい人向けの競泳プールなどなどが揃っている。もちろん飲食店の類いも用意されていて、つまりはプールレジャーにまつわるあれこれは、すべてここで賄えるというわけだ。