〈解説〉

 フランスを代表する俳優で歌手のシャルロット・ゲンズブールが初めて監督を務め、去る7月16日(現地時間)に亡くなった、実母で自身と同じく俳優で歌手のジェーン・バーキンの真実に迫ったドキュメンタリー。

 フレンチポップのレジェンド、セルジュ・ゲンズブールの妻と娘という特殊な関係性から、幼い頃より母親に遠慮をし続けてきたというシャルロット。彼女は母親を知るため、2018年にジェーンが公演を行った東京からカメラを回し始める。ブルターニュのジェーンの家や、セルジュが亡くなるまで暮らしたパリの家で、ジェーンはこれまで語ることのなかった3人の娘たちへの想い、老いや病気、長女ケイトの自死に対する複雑な胸中を明かす。92分。

  • 中野翠(コラムニスト)

    ★★★☆☆母への愛というより満たされなかった少女期の思いのほうが強く感じられた。結局のところ、わかり合えない2人かも。

  • 芝山幹郎(翻訳家)

    ★★★☆☆時代や存在の深みまでは降りていかないが、夕月のような映画だ。よくある母娘の葛藤を抑制し、全篇を淡彩で描いている。

  • 斎藤綾子(作家)

    ★★★★☆母娘に興味があれば時代を思い返して楽しめる。父セルジュの部屋での会話は特に。2人の眼差しに至福の情を感じた。

  • 森直人(映画評論家)

    ★★★★☆優れた先行者であり、共通の神話の担い手でもある母に向けるカメラ。ありふれた葛藤も。この親子を間近に感じる幸せ。

  • 洞口依子(女優)

    ★★★★☆娘の映画監督としての才能も垣間見られるが、何よりヴェルヌイユ通りの霊安室的空間にバーキンが訪れる場面が出色。

  • もう最高!ぜひ観て!!★★★★★
  • 一食ぬいても、ぜひ!★★★★☆
  • 料金の価値は、あり。★★★☆☆
  • 暇だったら……。★★☆☆☆
  • 損するゾ、きっと。★☆☆☆☆
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INFORMATION

『ジェーンとシャルロット』(仏)
8月4日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町、渋谷シネクイントほか全国順次公開
https://www.reallylikefilms.com/janeandcharlotte