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――何に使っていたのでしょうか?

ダンプ ほとんど飲み食いで、トイレに流れちゃった。うちは毎日のように後輩たちを食事に連れて行くから、1回で8人くらいいたかな。毎回奢りで、一日で10万とか20万。痛い思いをしてきたのにあっという間(笑)。

――皆さん、お食べになる?

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ダンプ 食うんだよ!ほんとに。叙々苑でさ、ここ、食い放題じゃねえんだぞ!って。飲んで食っていくら掛かったって感じだよ。30万くらい叙々苑だけで取られちゃうんだから。ふざけるなでしょ。食べないでとも言えないからね。

©杉山秀樹/文藝春秋

――また、女子プロレス人気が沸騰し、ヒール役だったことで、相手のファンからの嫌がらせも過激だったとか。

ダンプ 埼玉の熊谷の実家まで来て「ダンプいるんだろ!」って罵声が飛んだり、石を投げられることも珍しくなかった。当時住んでいたマンションにも空き巣が入って、現金75万円取られたり、洋服とか写真もたくさん盗まれた。フェアレディZの新車を買ったら早々に硬貨で「死ね」って傷をつけられたし、バイクで道場に行くとタイヤに釘を刺される。自転車のサドルも盗まれるし、タクシーの乗車拒否もしょっちゅうだったよ。さすがにタクシーで暴れねーよって感じだけど(笑)。

 でも、実際、試合以外でもヒールを演じていたから、実家に近所の人がサインをお願いしにきても、「こんなの書くか!バカヤロー」って色紙を投げて、あとから親が謝りにいったこともあったね。あれは申し訳なかったと思うよ。

 

ダンプ松本が「さすがに恐怖を感じた」瞬間

――大阪城ホールでも対戦相手のファンの方に囲まれたそうですね。

ダンプ (長与)千草に髪切りデスマッチで勝って、千種を坊主にしたときは、500~600人くらいのファンにバスを囲まれたね。あのときはさすがに恐怖を感じたよ。しかも会場から控室に戻る途中、相手のファンから守るはずの警備員に、グーで顔面殴られて、パーンって飛んじゃったんだよ!「何すんだ!」って言ったら「お前が悪いんだろう!」って言うんだから。後日、警備員を全員並べて犯人捜ししたんだけど、逃がされていなかったな。

――ちなみに乱闘と言えば、ドラマ「毎度おさわがせします」での乱闘シーンも見物でした。

ダンプ あれ、すごく言われるんだよね。「子どもの頃見てました!」って。あの影響も強かったのか、普段からヒールだと思われていたし、自分でも嫌われれば嫌われるほど、女子プロが盛り上がったのは良かったような気もするけど。

撮影 杉山秀樹/文藝春秋