家族と暮らしていても孤独死する
――統美さんのお話を聞くといろいろな「死」のあり方があると痛感させられます。
角田 昨今、年々増えていると感じるのは孤独死ですね。湿度が高い時期は死後2、3日でかなり状態が悪くなってしまいます。ですが、発見されるのが1週間、10日、1か月という人たちもたくさんいらっしゃる。
そういったご遺体を見てきたので、私たちは注意喚起として「3日に1回は連絡をとりあうように」というお願いを発信しています。
――遠方に暮らしているなら、こまめに連絡を取った方がいいと。
角田 そう思われる方が多いと思うのですが、そうではないんです。ご家族が一緒に暮らしていても、孤独死するケースが増えています。生活リズムが違うためにご家族の異変に気が付かないんですね。
――たとえば、同じ屋根の下で暮らしているのに、ご家族が2階で亡くなっていることに気付けないということですか?
染谷 そうです。そういうケースで亡くなる方が増えている。しかも、高齢の親御さんがなくなるだけではなく、お子さんが亡くなっていることも珍しくない。
角田 引きこもりとかではないんですよ。同じ屋根の下で暮らしているのに生活のリズム、時間帯が違うんでしょうね。ご両親は「働きに出かけているんだろうな」と思っているから、特に干渉しない。ところが、あまりにも音沙汰がないから部屋を訪れると、すでに息絶えていた。実際に、亡くなって何日か経ってしまったご遺体が、ここに運ばれてきたケースもあります。
「冬場は乾燥しているので、皮膚が縮んでしまう」
染谷 孤独死は湿度の高い夏場と、乾燥している冬場では状態がまるで違います。夏場は腐敗速度が速い反面、冬場は乾燥しているのでご遺体の皮膚は縮んでしまうんですね。縮んでいくと、髪の毛などは全部抜けてしまう場合もあります。もちろん、夏場は夏場で厳しい。白骨化が進んでいるご遺体もありますから。
――その状況でも統美さんは諦めないんですか。