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 メイプル超合金のカズレーザーは、今後の金銭的な補償についてや、テレビをはじめとしたメディアが「忖度していた」という見解を述べた。

「今回の会見の中で『金銭的補償』について言及されていて、それに政府が関与する、指導があったほうがいいとかいろいろあった。今までのメディアの傾向として、政府から指導があったとか政府からにらまれた企業との取り引きって基本的に減っていくじゃないですか。ジャニーズがそういう立場になった時に、じゃあメディアはどういうふうに対応するのかなと思います。今までメディアは『忖度はしていません』というのが建前だった。でもそれは間違いなくウソだというのがわかっている」

「日本のエンターテインメントが世界に見られている」

 8月6日は、フジテレビ「ワイドナショー」もジャニーズ性加害問題を扱い、ここでも今田耕司や東野幸治ら、お笑い芸人たちが持論を展開した。

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「今回の(国連)会見の発言はなかなか重いと思うんですよ。すごく……」(東野幸治)

フジテレビ「ワイドナショー」8月6日より

「国連が入っていて世界的なニュースですから。ジャニーズ事務所だけというよりは日本のエンターテインメント全体の変換期。『まだ前の感じで行けるんちゃうか』というのがもしかしたらどこかにあったかもしれないけど、もう本当に通用しない。日本のエンターテインメントが世界に見られているわけですから」(今田耕司)

フジテレビ「ワイドナショー」8月6日より

 また、乙武洋匡氏は現在のニュース番組や情報番組に人気タレントたちが数多く起用され、結果的にこうしたジャニーズ性加害問題を真正面から報じにくくなっている現状を痛烈に批判した。まさに正論である。テレビ局の中ではニュース番組を担当する「報道局」が常に一目置かれて、どの局でも社内での発言力が圧倒的に強いものだが、トークバラエティ番組である「ワイドナショー」が報道局が責任をもつニュース番組のあり方を批判するというあまり起きないことが公共の電波を使って実現されていた。

ジャニーズ事務所 ©AFLO

 TBS「サンデー・ジャポン」とフジテレビ「ワイドナショー」はどちらも、バラエティ番組や情報・ワイドショー番組に分類されている。だがそこで、お笑い芸人やタレントなどの出演者たちが気遣いなく口にしていた言葉は、堅苦しくて時にどこかウソっぽいニュース番組の「欺瞞」を言い当てているようで痛快なほどだった。

 テレビ番組側がジャニーズ性加害問題をタブー視していたことで、言いたくても言えない状態だった出演者たちが本領を発揮し始めたようにも見える。今後想定されるジャニーズ事務所による発表や記者会見では、どのような姿勢を見せるのだろうか。