ヴァネッサ まず、文化とコミュニケーションの違いが恋愛において最も難しいことでした。最初はユーモアに戸惑いました。外国の文化や言語を学ぶうえで、ユーモアを理解することが最も難しいことの一つだと思います。私はデートする男性と一緒に笑い合いたかったのですが、なかなか難しかったですね。フランスでは相手を口説くときにユーモアが大きな役割を果たすんです。女性を口説くには笑わせないといけないんです。日本人はとても真面目なことに驚きました!
メッセージのやり取りはとくに形式的でした。それと働きすぎなことですね。毎晩10時に帰ってくるような男性とは付き合えません。
フランスには「告白」という概念がない
――『Tokyo crush』では、日本人男性からのロマンチックな告白風景も描かれていますね。
ヴァネッサ 日本人の告白のタイミングはちょっと早いように感じました。相手のことをよく知らないのに告白するのは誠意がないように感じました。それに、日本語学校の先生や日本人の友人からは「日本人はそんなこと言わない」と聞いていたのに、私に「愛してる」と言う男性もいたんです! だから告白されても一体どういうことなのかよくわかりませんでした。
しかし、時が経つにつれて、たとえその関係が長続きしなかったとしても、告白はとても美しい思い出になるのだと気付きました。
――フランスをはじめ欧米では日本のような「告白」はないと聞きます。
ヴァネッサ そうですね。フランスにいる私の友人たちは、いつも自分たちが付き合っているのか、セフレなのかわからなくて悲しんでいます。その点、「告白」は明確です。よく日本人はシャイだと言われますが、「告白」は勇気がいるものですよね。私はその誠実さが好きです。ロマンチックですしね。
それに、ほとんどの日本人男性は紳士的だと思います。ドアを開けてくれたり、レストランで良い席を譲ってくれたり、車道側を歩いてくれたり、上りのエスカレーターでは私の後ろに立ってくれます!