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――今回の本って一見すると「歳を取ってからも趣味を持って人生を楽しみましょう」みたいな感じがするんですが、実際には鶴太郎さんがやっていることってもはや「趣味」という感じではないですよね。

鶴太郎 趣味じゃないですね。趣味だったらここまでやらないです。要は、自分はなぜ瞑想をやりたいと思ったのか、その真理を見たいだけなんです。そこに何があるのかを求めているから、毎日毎日やる。

「僕は真理を見たいだけ」 ©細田忠/文藝春秋

――では、絵を描くのも、描きながら真理を探っているような感じなんでしょうか?

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鶴太郎 それはありますね。モチーフもどんどん変わってくるし。描きたいものしか描いていないので、出来上がった作品を見て「ああ、いま俺はこれを描きたかったのか」って思うんです。絵を見ることで自分を見つめるっていう感じなんですね。

――描きたいものを最初に決めている感覚ではなく、描き上がってから気付くんですね。

鶴太郎 ええ、だから絵を描くのはずっと自分と対話してるようなものなんですよね。ここの色をどうする、もうちょっと薄い方がいいか、濃くするか、って自問自答しながら決断していくんです。だから、他人と話すよりも自分と対話している方が面白いし、一番興味があるんですよね。

「ヨガのおかげで体の衰えも感じない」

――この本では主に60代になった鶴太郎さんの生き方について書かれていましたが、今は68歳で、もうすぐ70代に入りますよね。そんな今の時点では加齢による体の衰えは感じますか?

鶴太郎 それが元気なんですよね。やっぱりヨガを毎日やっているから、筋肉も使っているし、結構体を動かしているんです。毎日毎日続けることによって体ができてくるので、恐らく70になっても80になってもヨガはできると思うんです。

 健康の秘訣って、食べるものと運動と、あとはいかに前向きでいるかっていうことですよね。その3つを実践しているから、元気でいられるんだと思います。

――では、これから70代、80代になっても、朝起きてヨガをするというこのルーティンを続けていくんですね。

鶴太郎 恐らくヨガに代わるものはないですからね。朝にヨガをやって、朝食をとって、それから撮影に行ったり絵を描いたりっていうことは続けていくんじゃないかと思います。