〈あらすじ〉
フランスに暮らす13歳の少年バスティアン(ジョゼフ・アンジェル)は、両親と年の離れた弟と、カナダ・ケベック州の避暑地を訪れる。母の友人と娘のクロエ(サラ・モンプチ)と共に森と湖に囲まれたコテージで、夏の数日間を過ごす予定だ。
2年ぶりに会ったクロエは16歳。憂いのある大人びた雰囲気で、バスティアンを魅了する。2人は幽霊が出るという噂のある湖に出かけ、大人のいないダンスパーティーに参加し、いくつかの秘密を共有し、少しずつ親密になっていく。帰国を翌日に控えたバスティアンは、予想外の形でクロエとの別れを迎える。
〈解説〉
俳優シャルロット・ル・ボンの長編監督デビュー作。バンド・デシネ(フランス語圏の漫画)を原作として、子どもでも大人でもない男女の関係のゆらぎを、16ミリフィルムで捉えた。100分。
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中野翠(コラムニスト)
★★★☆☆少年少女のバカンス物だが、「死」を織りこんだところが、やや異色。「死が急だと幽霊になる」というセリフ、頭に残る。
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芝山幹郎(翻訳家)
★★★☆☆この設定に欠かせぬ気後れや混乱の描写は鮮度が高い。ただ、不穏な気配を強調しすぎた。D・ロウリー監督なら抑える。
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斎藤綾子(作家)
★★★☆☆切なく美しい獣になる思春期は死の境界線にいる年頃か。誰にも気づかれずに佇むバスティアンと湖畔の光景が悲しい。
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森直人(映画評論家)
★★★★☆『青い麦』の系譜をティーンホラー的な死の匂いで包んだ。16mm撮影の粗さが未分化で不安定な世界に同期している。
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洞口依子(女優)
★★★★☆ひと夏の甘酸っぱくビターな青春譚。愛と幽霊、夢と現実の境界線。ショットも好い。原作のバンド・デシネも気になる。
- もう最高!ぜひ観て!!★★★★★
- 一食ぬいても、ぜひ!★★★★☆
- 料金の価値は、あり。★★★☆☆
- 暇だったら……。★★☆☆☆
- 損するゾ、きっと。★☆☆☆☆
INFORMATION
『ファルコン・レイク』(カナダ、仏)
8月25日(金)より渋谷シネクイントほか全国順次公開
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