〈あらすじ〉

 13歳のレオ(エデン・ダンブリン)と幼馴染のレミ(グスタフ・ドゥ・ワエル)は、24時間をともに過ごす大親友だ。中学校に入学した二人は、その親密さをクラスメイトにからかわれる。レミは変わらぬ距離感で接してくるが、レオは周りの目を気にしてそっけない態度をとってしまう。

 ある朝、レオがレミを避けて一人で登校したことで二人は大喧嘩になり、疎遠なまま日々が過ぎていく。やがて二人に、悲しい別れが訪れる。

 季節が移り変わっても、レオは喪失感と罪悪感を抱えたまま、二人の間に何があったのかを誰にも言えずにいた。

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〈解説〉

『Girl/ガール』のルーカス・ドン監督の長編第二作。少年たちの関係性の変化、喪失からの再生を描く。第75回カンヌ国際映画祭コンペティション部門グランプリ受賞。104分。

  • 中野翠(コラムニスト)

    ★★★★☆幼い友情の罪と罰。不本意な仲たがい。これに似た体験がある人も多いのでは? 終始、画面は明朗な色使いなのが有難い。

  • 芝山幹郎(翻訳家)

    ★★★★☆友情を、というより孤独をえぐった映画。キャメラを射る少年の眼が、かすかに覚えのある感情にゆさぶりをかけてくる。

  • 斎藤綾子(作家)

    ★★★★☆美しい少年たちの笑顔が次第に失われ、残された者たちの辛い心情が穏やかに描かれる。清廉だが息苦しいほど悲しい。

  • 森直人(映画評論家)

    ★★★★☆未分化な情愛とイノセンスの喪失。思春期の痛みを端正な設計で描き、神話的な美と哀切が立つ。『怪物』との親近性も。

  • 洞口依子(女優)

    ★★★★☆少年の皮膚の下でうごめく愛、恨み、悲しみ。カメラを意識しない演技。光と風を封じ込めた映像。並外れた観察力だ。

  • もう最高!ぜひ観て!!★★★★★
  • 一食ぬいても、ぜひ!★★★★☆
  • 料金の価値は、あり。★★★☆☆
  • 暇だったら……。★★☆☆☆
  • 損するゾ、きっと。★☆☆☆☆
© Menuet / Diaphana Films / Topkapi Films / Versus Production 2022

INFORMATION

『CLOSE/クロース』(ベルギー、オランダ、仏)
7月14日(金)より新宿武蔵野館ほか全国公開
https://closemovie.jp/