〈あらすじ〉
1945年、ナチスの強制収容所から解放されたハンス(フランツ・ロゴフスキ)は、刑務所に移送された。男性同性愛を禁ずる「刑法175条違反者」として残りの刑期を務めるためだ。同房となったヴィクトール(ゲオルク・フリードリヒ)はハンスを嫌悪するが、腕に彫られた番号から、その過酷な境遇に思い至る。
その後も己の生き方を貫くハンスは繰り返し投獄され、長期受刑者のヴィクトールと再会を重ねる。そして2人はお互いにとって、かけがえのない存在になっていく。
〈解説〉
同性愛が犯罪だった戦後ドイツで、愛する自由を求め続けた男の20年の物語。セバスティアン・マイゼ脚本・監督作。第74回カンヌ国際映画祭ある視点部門審査員賞受賞。116分。
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中野翠(コラムニスト)
★★★★☆ドイツでは男性同性愛は1969年まで違法だったのか。意外。男同士の性描写、つい、目を伏せてしまうのは、なぜだろう。
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芝山幹郎(翻訳家)
★★★★☆生真面目で、無酸素状態がずっと続くような映画だが、苛烈な環境を黙々と描く作法が強靱。刑務所の圧迫感がリアルだ。
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斎藤綾子(作家)
★★★★★快楽重視で描かれがちな関係を、性的指向ではなく切実に互いを想う人情で映し出す。不自由な身の大いなる自由に落涙。
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森直人(映画評論家)
★★★★☆何より時間の重みを感じる。政治に抑圧され変形する個の人生。芝居の凄みと各種設計が相俟った映画表現の充実を堪能。
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洞口依子(女優)
★★★★☆愛そのものを罪だとしても心までは囚える事は出来ない事実をここまでロマンティックに描けるとは! 音楽、俳優にも星!
- もう最高!ぜひ観て!!★★★★★
- 一食ぬいても、ぜひ!★★★★☆
- 料金の価値は、あり。★★★☆☆
- 暇だったら……。★★☆☆☆
- 損するゾ、きっと。★☆☆☆☆
INFORMATION
『大いなる自由』(オーストリア、独)
7月7日(金)よりBunkamuraル・シネマ 渋谷宮下ほか全国順次公開
https://greatfreedom.jp/