国内最大の暴力団「6代目山口組」が分裂したのは8年前の2015年8月27日のこと。だが、離脱した「神戸山口組」との対立抗争はいまだに続いている。
当初はどちらが勝つのか予断を許さぬ状況だったが、近年では「6代目山口組」が神戸山口組に対して起こす「事件」が圧倒的に多く、一方の神戸山口組は傘下の主要組織の離脱が相次ぎ縮小傾向にある。ここ1年の間にも、中核を成す有力組織が離脱したほか、最高幹部が自らの引退と率いていた組織の解散を表明するなど構成員の減少に拍車がかかっている――。
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現在の神戸山口組の構成員は200人前後に減少
警察庁は毎年、その年の末時点での、全国の暴力団組織の構成員数などの統計を取りまとめ、翌年の春に組織犯罪の情勢として発表している。最新の公式統計データによると、2022年末時点での6代目山口組の構成員は約3800人。一方の神戸山口組は約330人が確認されていた。公表されているデータで勢力差を比較すると、6代目山口組は神戸山口組の10倍以上となっている。
しかし、警察当局の組織犯罪対策を担当している捜査幹部は、筆者の取材に対し「現在の神戸山口組の構成員は330人から、さらに減少している」と指摘した。
「警察としては、昨年9月に明らかになった(神戸山口組傘下の中核組織である)宅見組の離脱と、12月の侠友会の解散表明については、偽装の危惧もあり、その時点では認めていなかった。しかし、その後、実質的に離脱と解散が確認できたため、今年になって認定した。このため両組織の構成員数を差し引いた200人前後が、現在の神戸山口組の勢力になる」