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――評価の指標のひとつとしてTVerなどの再生数も重視されつつあると思いますが、港さんはどのように考えていますか。

:NetflixやAmazon Prime Videoなども含めて視聴者のみなさんも見るものがたくさんあるわけじゃないですか。せっかく作った番組を見てもらえないのは残念だし悔しい。そういう意味でもTVerができて、見る機会が増えたことはとてもいいことですし、ビジネスとしても広告がつく仕組みがありますから、大事にしたいですね。

©山元茂樹/文藝春秋

コンプラ的にギリギリでも「面白いと気にされない」

 おかげさまでフジテレビは、再生数・UB(ユニークブラウザ)数・総視聴時間で3冠を継続して獲ることができています。配信は、比較的若い人たちを中心に積極的に見に行くわけじゃないですか。そういう中で支持を受けているのは嬉しいですし、元々、そういう層に強い会社ですから、伸ばしていきたいですね。

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――港さんはまさに「楽しくなければテレビじゃない」と掲げていた頃にディレクターをされていましたが、昨今はコンプライアンスなどが敏感になっています。

:時代の変化ですから敏感にならざるを得ません。ただ、制約があったほうが物事を考えるときに知恵が出るっていうこともあるんですよね。なんでもいいから好きにやっていいぞって言われたら、逆に途方にくれるかもしれません。

 僕は「愛と腕で突破しよう」ってよく言ってます。僕の体験でいえば、当時ギリギリかなっていうのも目をつぶって出したこともあります。けど、面白いと気にされないんですよ。多少のことは突破していける。つまんないのに危ないことをやっていると、嫌われてしまう。

 自分の番組や出演者、スタッフに愛情を持って作っていればおかしなことは起きないと思うんですよ。あとはいかに工夫して見せていくかという腕前が大事だと思います。