世界最高峰の教育機関、ハーバード大学。中でも経営大学院は、候補生も含め世界中のビジネスエリートが集う、経済の重要拠点だ。今、その関係者から日本は大きな注目を浴びている。
「『失われた20年』として日本経済の不調などが問題視された時期もありましたが、米国でもリーマン・ショック以降の経済危機があり、中東やヨーロッパもテロの脅威にさらされています。そうした社会情勢の変化の中、グローバルな文脈で日本が再評価されつつあるんです。この本に書かれているのは、そうした世界の目線の変化を示す、イデオロギーから自由なファクト(事実)です」(担当編集者の藤岡岳哉さん)
盛り込まれた「ファクト」は多岐に渡る。「新幹線お掃除劇場」で知られるテッセイをはじめ、トヨタ、ホンダ、グリーなど企業の事例があるかと思えば、先物市場の先駆である徳川時代の米市場、明治維新の革新性、広島への原爆投下を受けての昭和天皇の行動など、歴史の事例も数多い。それらはすべて、実際にハーバードで教材として扱われているのだという。証言を織り交ぜつつ、日本の高い人気を示していく著者の手つきは、とても鮮やかだ。
「抽象的なオピニオン(主張)ではなく、エピソードによって構成され、ストーリーとして読めるところも、本書の魅力だと思います。そのおかげもあってか、類書に比べて、女性の読者が多いのも特徴ですね」
2016年1月発売。初版1万3000部。現在8刷15万3000部