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「オペレーション66」と「オーダー66」

その1 意味深な数字

 乃木憂助(堺)が常に持ち歩く両親の写真に記された日付「1978年6月24日」は、『スター・ウォーズ』第1作『新たなる希望』の日本公開日だ。さらに、ドラマの公式Twitterで公表された画像に登場する「オペレーション66」。

両親の写真を見る乃木(『VIVANT』より)

 ノコルが主導する日本へのサイバー攻撃の作戦名と見られるが、これも『スター・ウォーズ』における重要キーワード、ジェダイ抹殺の指令「オーダー66」を連想させる。

オペレーション66と書かれたPC画面(ドラマの公式SNSより)

その2  キャラクターの名前

 テントの幹部でノゴル(二宮)に付き従う2人組の部下。このコンビも『スター・ウォーズ』との関連性を匂わせる要素の1つだ。『スター・ウォーズ』を手掛けたルーカス監督は日本映画界の巨匠・黒澤明氏を敬愛していることで知られる。

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『スター・ウォーズ』の名物コンビ、R2-D2(左)とC3PO(中心) ©時事通信社

 なかでも黒澤作品『隠し砦の三悪人』を元に、作品を考えたと明言しているほどで、『スター・ウォーズ』の名物コンビのR2-D2とC3POは、『隠し砦の三悪人』に登場する又七と太平をモデルにしたと言われている。実は、『VIVANT』に出てくる2人組の名前は「マタ」と「シチ」。ルーカス監督が参考にしたというキャラクター「又七」を二分割した名前とも考えられる一致ぶりだ。

その3 キャストの服装

 公安刑事・野崎守(阿部)の相棒役として登場するドラム(富栄ドラム)。身に纏うのはデールと呼ばれるモンゴルの伝統衣装だが、『スター・ウォーズ』に登場するジェダイの服装を連想させる。これはドラムだけでなく、ノゴーン・ベキ(役所)やノコルなど、テロ組織「テント」のメンバーに共通している。

モンゴルの伝統衣装を着る二宮(ドラマの公式SNSより)

その4 トランジション

 劇中で場面転換をつなぐトランジション(映像効果)が酷似していること。『スター・ウォーズ』では、画面左から右へ流れるように場面から場面へ切り替わる映像効果が使用されている。特に砂漠から宇宙船など、全く違う場所や相対する組織の風景などに転換する場合に使用される印象だ。

トランジション切り替わりの瞬間(『VIVANT』より)

 他方、『VIVANT』では、例えば第6話の冒頭に同じトランジションが確認できる。該当シーンは、横領を企てたテント幹部の前に"仲間の手首”がプレゼントされた場面から乃木がアリに家族を引き渡そうという場面。別の場所の出来事から出来事へ描写を移す役割も共通している。