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その5 窮地を救うバディ

『VIVANT』の第3話を振り返ってみてほしい。バルカ警察から追われる身となった乃木、野崎、ドラム、そして柚木薫(二階堂)は、何とか日本に帰国しようと死の砂漠を横断することを決意する。しかし、道中で柚木がラクダから落下、行方不明になってしまう。柚木がいなくなったことに気づいた乃木は、野崎の反対を押し切って無理を押して探しに行くも、道中で救出した柚木とともに倒れ込んで……。この絶体絶命の場面では、2人を見捨てたはずの野崎とドラムが戻ってくる“激アツ展開”があった。

第1作『新たなる希望』(『スター・ウォーズ』のHPより)

 翻って『スター・ウォーズ』の第1作『新たなる希望』でも、大事な場面を前に戦線を離脱してしまったはずのハン・ソロとチューバッカが、主人公とヒロインの危機的状況に舞い戻り、間一髪で戻ってくるという劇的なシーンがある。野崎とドラムは、このバディを彷彿とさせるのだ。

その6 父子の宿命

 海外で奴隷として物乞いをさせられていたところを保護された乃木は、後に自衛隊の秘密組織「別班」となり、日本を守る諜報活動をする中で幼い頃に生き別れた父の存在を知る。かたや『スター・ウォーズ』の第2作『帝国の逆襲』で、主人公のルーク・スカイウォーカーもまた、仲間を救う最中で自分の父親が敵のリーダーであるダース・ベイダーだったことを知ることになる。相対する組織の一員として、父子が再会する宿命のストーリー展開には類似性が見られると言っていいだろう。

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福澤監督が「僕は『スター・ウォーズ』シリーズの大ファン」

 さらに――。今作で原作・演出を務める福澤克雄氏は、放送前の公式インタビューでこう公言しているのだ。

「僕は映画『スター・ウォーズ』シリーズの大ファン」

 果たして両者の共通点は偶然なのか、それとも意図して散りばめられたオマージュなのか。TBSを通じ、福澤監督にこれらの共通点や、スター・ウォーズ好きであることとの関連性について尋ねたところ、「お答えは差し控えさせていただきます」と回答した。

豪華キャストが勢揃い(TBSのHPより)

『スター・ウォーズ』のラストでは、息子のルークが悪に転落したダース・ベイダーをラスボスから救い出す。果たして、『VIVANT』で描かれる父子の宿命には、どんな結末が待っているのだろうか。

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週刊文春 電子版」および発売中の「週刊文春」では、「文春“別班”が本気で追った 『VIVANT』9つの謎」と題し、堺雅人や二階堂ふみ、阿部寛ら主要キャストの知られざる秘密など、7頁にわたって同作の大特集を掲載している。さらに「文春オンライン」でも、『VIVANT』に関する記事を多数配信する予定だ。