文春オンライン

メイクに5時間、坊主ウィッグを被る全身ピンクの“エイリアンギャル”が語る、両親との関係「お父さんには2年前に突然縁を切られた」

サニバニインタビュー#2

2023/09/23

genre : ライフ, 社会

note

 それを見て「ヤバッ、新しい世界。日本ってこんな感じだったんだ」って衝撃を受けて、メッチャワクワクして「私もこういう格好したい!」と思ったけど、その時はイスラム教の脳みそだったから「でも、こういう格好したらダメなんだろうな」みたいな。

 でも、やっぱりかわいいから、「買うだけでもいいから」って買って。それを着ないで、家でずっと眺めてました。

「それダメなんじゃない?」という服装でもお母さんは見逃してくれた

ーーいじらしいですね。

ADVERTISEMENT

サニバニ かわいいですよね、当時の自分(笑)。最初は罪悪感みたいなものがあったから、眺めるだけで満足してたんだけど。高校の友達が放課後にスカートをメッチャ折ってるのを見て、私もコッソリ折ったりするようになって。

 土日に遊びに行くときも、友達は短めのスカートを穿いてて。私は七分丈のスカートだったけど、みんなのを見て、だんだんと丈の短いヤツを穿くようになって。でも膝上の短さのスカートは「さすがにマズいかも」と感じてたから、家から穿いてかないようにして、わざわざ駅まで持って行ってトイレで着替えたり、家のなかに置いておくのも気まずいから庭の木の下にスカートを隠して、みたいな。

 

ーーお母さんから、服装に関してなにか言われたことは。

サニバニ 「え、それダメなんじゃない?」とか言われてたけど、どっちかといったらお父さんのほうが厳しかったから、お母さんはちょっとぐらいは見逃してくれて。でも、「それパパが見たら怒るんじゃない?」とか言われると「ヤバい、バレたら怖い」みたいな。

文化学園大学に進学後、目立ちたい気持ちがエスカレート

ーーロリータ系には向かわなかったのですか。

サニバニ かわいいと思ってたけど、値段が高いじゃないですか。だから、結局買ったことがなくて。その頃の私のファッションって、いま振り返ると「どういう状況?」みたいな感じで。

 メイクもよくわかんなかったから、ギャルっぽいのにタレ目とかぴえん系も混ざってる、よくわかんないメイクしてて。そんなメイクなのに、フリフリ系も好きだったからトップスをそれにしちゃって、下はギャル系で、混ざりまくってて。

 とりあえず、好きなものを適当にいっぱい着てたって感じです。メチャクチャだし、自分でも納得いってなかったけど、楽しんでましたね。で、文化学園大学に入って、エスカレートしていって。

 

ーー文化学園大学に進んだんですね。

サニバニ 2年でやめちゃったんですけど。最初は青学に入りたかったんですよ。キラキラしてるからっていう理由で。でも、普通に落ちちゃって。これ言うと負け犬の遠吠えにしか聞こえないだろうけど、いま思うと受からなくてほんとに良かったなって。青学に行ってたら、たぶん違う人生だったかも。

関連記事