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火葬禁止のイスラエルで、戦争犯罪人の遺体を誰がどう火葬したのか? 「6月0日 アイヒマンが処刑された日」を採点!

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〈あらすじ〉

 1961年、イスラエル。リビアから一家で移民してきたアラブ人の少年ダヴィッド(ノアム・オヴァディア)は、学校に居場所がなく、ゼブコ(ツァヒ・グラッド)が経営する町外れの鉄工所に入り浸り始める。

 ある日、ゼブコの工場に、刑務官のハイム(ヨアブ・レビ)から極秘プロジェクトが持ち込まれる。それは、62年6月0日(5月31日と6月1日の境目)に死刑執行が決定した、ナチス・ドイツの戦争犯罪人アドルフ・アイヒマンの遺体を燃やすための小型焼却炉の製造だった。

〈解説〉

 法律により火葬が禁止されているイスラエルで、アイヒマンの遺体を誰がどのように火葬したのか? 関係者へのリサーチをもとに、極秘プロジェクトの裏側と、関わった人々の想いを描くヒューマンドラマ。『恋愛上手になるために』のジェイク・パルトロウ監督作。105分。

  • 中野翠(コラムニスト)

    ★★★☆☆ナチス愛用の焼却炉で仕返しという発想はスゴイが、少年を芯にした構成が効果をあげているとは思えず。音楽、くどい。

  • 芝山幹郎(翻訳家)

    ★★★☆☆イスラエルに火葬の習慣がないとか、警備の人種を限定していたとか、細部は興味深い。ただ、語りが時折りぎごちない。

  • 斎藤綾子(作家)

    ★★★☆☆ナチ戦犯を尊ぶ埋葬にしないための苦労が市井の人々の正義感や怒りで描かれる。火葬も散骨も日本人には馴染み深いが。

  • 森直人(映画評論家)

    ★★★☆☆着眼はユニークだが焦点が絞り切れていない。ブラックコメディの予感を孕みながらも、矛盾や皮肉の探究を手放したか。

  • 洞口依子(女優)

    ★★★☆☆アイヒマン裁判とイスラエルとポーランド。歴史的瞬間を独自の角度で捉え、魅力的な部分と静かに考慮したい事が混在。

  • もう最高!ぜひ観て!!★★★★★
  • 一食ぬいても、ぜひ!★★★★☆
  • 料金の価値は、あり。★★★☆☆
  • 暇だったら……。★★☆☆☆
  • 損するゾ、きっと。★☆☆☆☆
©THE OVEN FILM PRODUCTION LIMITED PARTERNSHIP

INFORMATION

『6月0日 アイヒマンが処刑された日』(イスラエル・米)
9月8日(金)よりTOHOシネマズ シャンテほか全国公開
https://rokugatsuzeronichi.com/index.html

火葬禁止のイスラエルで、戦争犯罪人の遺体を誰がどう火葬したのか? 「6月0日 アイヒマンが処刑された日」を採点!

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