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――そういった息苦しさを感じていた時に、何か支えになっていたものはありますか。

東 日々の忙しさですね。当時、レギュラーが8本くらいあって、毎日毎日がめまぐるしくって。だからたまに休みがあったら思い切り遊ぶんです。スキー、テニス、ウインドサーフィン、旅行も好きだし、食べることもお酒を飲むことも好き。遊び仲間にも仕事仲間にも信頼できる人たちがいるし、そういう意味では、私はとても環境に恵まれていたと思います。

 私に仲間や友達がいなかったり遊び方を知らなかったりしたら、とても大変だったんじゃないかな。遊び仲間は会社員時代からの仲だったから、芸能界以外にも友達がたくさんいたというのは、私にとっての居場所だったと思います。

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芸能界デビュー後の東ちづるさんと両親(本人提供)

本当の自分は死ぬまでわからない

――最近は職場や学校、家庭以外の居場所がないという人も多いですよね。

東 サードプレイス、フォースプレイスがあるというのは重要ですね。昔だったら、新聞を読むことで、読書をすることでそこにのめり込むと言いますか、自分の頭の中に居場所を作ることができたんです。私はクイズ番組に出演することもあったから新聞や本、週刊誌をたくさん読んで来ましたけど、そうすることで自分の考えとは違う世界を知ることができたと思っていて。

 でも今は、良くも悪くも自分がチョイスした情報しか飛び込んでこない時代になったので、偏った情報だけで生きるって、とっても息苦しいだろうなと思います。

 

――芸能界での自分と、本来の自分との間にギャップがあったとは思うのですが、本当の東さんは、どういう人なんでしょう。

 本当の自分って、死ぬまでわからないんじゃないかなぁ。人間って「十人十色」と言うけれど「一人十色」だと思っていて。私自身、とても生真面目なところもあるし、ふざけたところもあるんですね。きっちりしたところも、だらしないところもある。笑い飛ばせるところも、うじうじいつまでも悩むところもあります。多分、みんなそうなんじゃないかなって。

 でも、子どものときから通知表の通信欄に「明朗闊達」とか書かれたりしたら、その子はずっと明朗闊達をやってしまうわけですよ。