当時4歳の田川星華(せいか)ちゃんを暴行し、死に至らしめたとして、9月6日、奈良県警は星華ちゃんの母親Aさん(28)の交際相手である山下翔也容疑者(27)を傷害致死の疑いで逮捕した。
小誌は山下容疑者や母娘を知る友人、関係者を現地で取材。浮かび上がったのは、山下の抱えていた“悩み”と愛娘を亡くすことになった母親の思いがけない“行動”だった。
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社会部記者が解説する。
「山下は6月18日午前、奈良県橿原市にある交際相手Aさん宅などでAさんの娘の星華ちゃんの腹部を圧迫するなど暴行を加えたとみられています。翌19日に星華ちゃんは汎発性腹膜炎により死亡。十二指腸には穴が開いていました」
幼な子の命を奪った暴行の予兆は以前からあった。
「5月には星華ちゃんが『(山下に)目をそがれた』と話していたが、行政側の聞き取りに対し母親は『子供の髪を乾かしている際、(山下の)手が目に当たってしまった』と説明。虐待の判断に至らなかった。山下は『まったく身に覚えがありません』と容疑を否認しています」(同前)
夫が逮捕されたのを機に、三重を離れて…
元々Aさんは三重県四日市市で結婚生活を送っていた。しかし2019年12月、星華ちゃんの父親に当たる夫が窃盗容疑で逮捕される。この事件をきっかけに、知人女性を頼って橿原市に移り住んできたのが2020年9月のことだった。
「Aさんはお金に困っていたので、星華ちゃんも一緒に私の家で同居してもらいました。大阪ミナミの昼キャバや市内のラウンジバーで一緒に働いていましたが、同居を始めて半年後に職場でのトラブルなどが原因で喧嘩になってしまった。Aさんは家を飛び出して、目の前のマンションに部屋を借りたんです」(知人女性)
地元を離れ、頼りにしていた知人とも疎遠になったAさん。その不安を埋めたのが山下容疑者だったのか。やがて2人の関係は交際へと発展。実家のある大阪府門真市で暮らしている山下は、週末になるたびに橿原市のAさん宅に遊びにくるようになった。