2015年、私は『恋愛しない若者たち』(ディスカヴァー携書)を書きました。当時の20代(多くが現30代)の若者が「なぜ恋愛しないのか」を、多方面から探る本でしたが、執筆段階でもっとも衝撃的だったのは、恋人以外と「体だけの関係」を結ぶ、いわゆる「セフレ(セックスフレンド)」をもつ男女が、予想以上に多かったことです。
出版にあたり、20代の男女600人に定量調査を実施したところ、「(一夜限りも含め)交際相手以外の異性とセックス経験がある」と答えた独身者が、男性で約40%、女性ではなんと約43%にものぼりました。
3人に1人程度が「セフレあり」
実は、この調査には前段がありました。女性ファッション誌『anan』(マガジンハウス)による調査(11年)で、「彼氏や夫以外に、セックスする相手(セフレ)がいる」と答えた女性(おもに20~30代前半)が、およそ7人に1人(約14%)にのぼっていたのです。
この結果を見て、当時私は、弊社(有限会社インフィニティ)の女性スタッフらと「この回答割合、高すぎるよね」と茶化していました。失礼ながら、内心では「さすが、毎年セックス特集が人気の『anan』というだけのことはある」と思い込んでもいました。
まさか、自分たちの調査でそれを上回る結果が出るとは、夢にも思わなかったのです。のちに同年代女性へのインタビュー調査も行いましたが、そのときも3人に1人程度が「セフレあり」の印象でした。
あれから10年弱が経ちますが、性を巡って「変わったこと」と「変わらないこと」があると感じます。
まずは「変わったこと」です。