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「性交経験率」の減少
近年は幼いころ、意図せずスマホでAV動画を見てしまい、「女性器ってキモそう」や「セックスって汚い感じ」といった感情を抱く若者も増えました。
性行為のイメージを聞いた調査でも、セックスにネガティブな要素を指摘する男女(17~19歳)は、性経験がない人ほど多く、「きたない」や「気持ち悪い」の回答が、いずれも1割ほどにのぼります(2021年 日本財団「18歳意識調査―性行為」)。
こうしたなか、若い段階での性体験は、減少傾向にあるようです。
日本性教育協会の調査によれば、高校生全体の「性交経験率」は、17年時点で約16%と、05年(約28%)との比較で1割以上減りました。
減少傾向は男女とも同じですが、実は性交経験率が05年に男女で逆転し、いまや女子高生のほうが男子高生より、経験割合が6%ほど高い(17年時点)状況となっています。特に00年代生まれのZ世代は、キスも性交経験も、「女子先行」が際立っているのが見てとれます。
あくまでも推測ですが、おそらく性に活発な一部の年上男性(大学生など)が、1人で複数の女子高生を相手にするため、女性の間で「早熟派」が増える、でもそうした男女は一部にすぎず、全体で見ると「未経験派」が多くなる、という流れではないでしょうか。
また、30~34歳で性交経験がある未婚者は、男女とも6割前後(男性62・8%/女性55・6%)に留まり、残る4割程度は「性交経験ナシ」であることが分かっています。
こうした状況を「草食化が進んだ」や「ゆゆしき事態」などと揶揄する大人世代もいますが、これらはむしろ「自然なこと」ではないでしょうか。