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ここまで相思相愛のアイドルとファンを初めて見た

坂本 はい。BTSの公式ロゴマークは扉をモチーフにして、少年から大人へ、過去や現在から未来へ、国内だけでなく世界へ向かっていこうという意味が込められています。同時にアーミーの公式ロゴマークもつくられていて、BTSのマークとアーミーのマークが補完し合うような、一対のマークになっている。これがとても象徴的なんです。

 BTSの人気は物理的にファンが作ったもの。アーミーたちが発見して、ラジオでオンエアするためにリクエストをしたり、賞レースで投票したり、そういう組織立った押し上げ作戦がありました。お金、時間、労力を注いでみんなで押し上げたんです。

 小さい頃からこの業界を見てきて、アーティストというのはファンと切り離せないし、相互依存なところもあるということは私もよく承知しているんですが、ここまで一体化した、相思相愛のアーティストとファンというのは初めて見ました。

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中野 あるアーティストを応援したいと思って、ファンの集団に入ろうとするときに、ややハードルの高さを感じることがあります。暗黙のコードがあって、これはやってはいけないとか、これを知らないとみんなに迷惑をかけてしまうとか、まずそういうことを知ってからでないと踏み出しにくいと感じることがあります。その辺りのことは、どうやってクリアしているのでしょうか。

 

坂本 個人的には、先輩アーミーたちへの恐れよりリスペクトの気持ちが大きいです。BTSを知っていくと、ファンダムがすごいということにまず、びっくりすると思います。BTSを好きになると、ファンダムも一緒に好きにならざるを得ない構造になっているんですね。

 たとえば、昨年10月に釜山で無料コンサートがありました。これはメンバーのJINが兵役で入隊する直前に行われた、7人揃ったBTSはこの日を最後に2025年まで見られなくなるという、大きな節目のイベントでした。ちなみに、私にとっては幸運にも初めてBTSを生で見ることができたコンサートです。