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 車検に際しての点検整備費用の上乗せという問題に関しては、上の改正を通じて改善が図られている。現状渡しを基本とする店であっても、納車にあたって当該車両を車検に通す必要がある場合には、車検に伴って生じる定期点検整備費用をあらかじめ表示価格に含めなければならない。

 そのため「車検費用の上乗せ」は今後規約違反に該当するわけだが、それは「整備が適切に行われているか」とは別の話である。買う側としては「車検もあるし大丈夫だろう」と思ってしまうが、実際には不具合を抱えている車両であっても、それが検査項目に引っかからない限りは車検に通せてしまうのだ。それゆえに、「ほとんど整備をしていない車検付きの車両」が流通する可能性もあるのだという。

矛盾に満ちた「保証オプション」のカラクリ

 さらに、見積もりを取る段になって「オプション」を勝手に上乗せするケースも少なくない。筆者が最初に訪れた店舗では、保証プランへの加入をなかば前提とし、断りにくい空気を醸し出していたが、なかにはこれを「強制」とする店もある。

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 上の規約改定はこの点も視野に入れており、保証プランへの加入を販売時の条件とする場合には、あらかじめ表示価格にその料金を含めなければならないとしている。そのため今後は「このオプションに入ってくれないと売れない」という手口は規約違反に該当することになるわけだ。

 しかしこれも整備の場合と同様、料金の上乗せを抑制するものではあっても、保証制度そのものの内容を正すものではない。中古車の保証制度にはさまざまなものがあるが、悪質なケースとして、オプションの保証が実質的に無意味になってしまう例もあるという。

「その店が独自に用意している保証制度には、とくに注意する必要があります。納車後にいざ車両のトラブルが起きたとき、保証範囲が限定されすぎていて適用できなかったり、工場が指定されてしまって納得のいく修理をしてもらえなかったり、という話は珍しくありません。

 私が聞いた話では、保証期間3ヶ月を謳う店で車を買った方が、納車後1ヶ月で足回りのトラブルに見舞われたにもかかわらず、十分な対応がなされなかったというケースがありました。修理のために入庫したものの、それから2ヶ月以上返ってこず、いざ戻ってきたら故障箇所は直っていなかったんですね。再度店に行っても、『保証期間はもう過ぎている』『一度直して、確認のうえ引き渡したはずだ』と対応してくれなかったそうです」(ディーラー系販売スタッフC氏)