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 一般の消費者が車の構造について熟知しているケースはやはり稀であり、契約書の文面を見ただけで「保証に含まれない箇所」を把握し、適切にリスクを理解しうるとは考えにくい。保証プランを検討する際は、「壊れても対応してもらえないケース」があることを前提としながら、カバー範囲について担当者に細かく質問していく必要がありそうだ。

レビューサイトにはびこるサクラ投稿、信用できる店をどう見つけるか

 しかし、これだけ悪質な手口が横行しているのなら、ネット上の口コミを参照すれば「ヤバイ店」は判別できそうなものである。ところがビッグモーターを中心に「大量のサクラ投稿」が疑われる現状、ネットレビューに全幅の信頼を寄せることは難しいだろう。

 規模にかかわらず信用できる業者は存在するだろうが、とくに小規模の事業者は集客施策などを行わず、地元客を中心とした商売で完結しているケースが少なくない。そもそも中古車選びにおいては、ある程度車種を絞って探す消費者が多数であり、なおかつ行動範囲も限られているから、「信用できる近場の店で希望車種を見つけられる可能性」はかなり低い。

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「信用できる業者が見つからない場合には、やはりディーラー系の認定中古車を買うのが安心だと思いますね。保証も充実していますし、引っ越ししても全国のディーラーでサポートを受けられますから。むしろ、『車のことはわからないけど中古車を買いたい』という人で、ゼロからお店を選ばなければいけないような場合には、ディーラー以外の選択肢はやめておいた方がいいかもしれませんね」(中古車店スタッフB氏)

写真はイメージ ©️AFLO

 中古車業界においては、整備や保証に対するスタンスが店ごとに異なり、アフターサポートもその店のモラルに依存する面が強いといえる。明確な保証制度がなくとも、売ったものに対する責任として無償の修理対応をする業者もあるし、反対に形式だけの保証制度で利益を上乗せする業者もある。

 ディーラー系の中古車であれば、少なくとも保証制度に関しては新車ディーラーに準拠した扱いが期待できる。当然店によって多少のスタンスの違いはあるだろうが、メーカーの看板を背負っている以上、常識外れな対応をされるリスクは軽減できるだろう。もしおかしな点があれば、担当や店舗を変更することもできる。

 もちろん、どのような店で購入する場合にも、実際に自分の目で車両状態を確認することは必須である。とはいえ「車の状態の見きわめ方」について、ノウハウのある消費者などごく少数だろう。後編では、現車確認の際にチェックすべきポイントについて、専門家の見解をふまえながら解説していく。