コロナ禍が始まって3年以上が経つ。さらにウクライナ戦争によって、物価の高騰が追い打ちをかけた。この期間、立ち食いそば屋は閉店の嵐が続いている。東京を中心とする2020年からの閉店情報を列記してみた。

 2021年は閉店が多く、中でも小田急線千歳船橋駅すぐの「八兆」の閉店が大事件だった。2022年は一旦減ったものの、2023年は9月の時点で2021年をすでに上回っている。虎ノ門「峠そば」や池袋「君塚」などの有名店の廃業が目立つ。「創業50年問題」がもちろん背景にあるのだが、コロナ禍が閉店イベントを加速してしまったことは間違いない。

2020~2023年に閉店した立ち食いそば屋(主に首都圏近郊、月日は閉店時期)

大門の隠れ家的そば屋「蕎麦たつ」へ

 そんな「立ち食いそばロス」に陰鬱な気持ちで日々を過ごしていた酷暑の今年8月中旬、港区大門に行く用事があり、朝そばをどこかで食べることになった。そして、ふと「蕎麦たつ」に行っていないことを思い出し、訪問してみることにした。

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 そしてこの「蕎麦たつ」という店、実は激動のコロナ禍を経て、2024年7月末に閉店することを宣言している店であった。

都営地下鉄浅草線大門駅を降りてA2階段から地上に出る

 都営地下鉄浅草線大門駅を降りて、A2階段から地上に出る。第一京浜の広い道を新橋方向へ進む。第一京浜と平行する1本東京湾側の道に入り、北に歩いていく。

広い第一京浜を新橋方向へ
第一京浜と平行する1本東京湾側の道に入り北に

 3~4分ほど歩くと右手に「まいばすけっと」がみえてくる。近づくとマンションの階段の脇に小さなそば屋の暖簾があることに気が付く。ここが隠れ家的雰囲気のある「蕎麦たつ」である。

 入口にたくさんの写真が並ぶ。店内は細長く右側にはカウンターに椅子が配置され、左側は厨房があって立ち食いコーナーとなっている。

しばらく進むと右手に「まいばすけっと」がみえてくる
「まいばすけっと」の奥をみるとそば屋の暖簾がみえる
隠れ家的雰囲気の「蕎麦たつ」
入口にはメニューの写真が並ぶ
右側が椅子のあるカウンター、左側は立ち食いコーナー

 店主に挨拶して、券売機をチェックする。店内の写真を見ながら検討し、「冷しかき揚げそば」(510円)を注文することにした。冷しと温かいそば・うどんの値段が同じなのも好感が持てる。

メニューが豊富だ

 店主は生そばを取り出し釜に入れて茹で始めた。かき揚げは揚げ立てがそろっていた。4分ほどまって完成。到着した姿は実に美しいイデタチである。