このときの思いは、裏方仕事も多くなった現在までつながっているのだろう。初めての撮影以来、グラビアアイドルの写真集を買い集めて研究を始めた。撮影ではそれを参考に好きなポーズや表情を真似するようになり、やがて自分なりにアレンジして表現するのが楽しくなってきた。
グラビアで注目されるとともにテレビにもバラエティを中心に活動の場を広げていく。芸能界に入って3年目には念願の歌手デビューも果たした。
思い立ったら即実行、降谷建志にも猛アタック
バラエティでは個性を前面に押し出すというよりは、ゲストやMCを立てたり、ツッコんだり、流れを整えたりなど、空気を読むのが自分の仕事だと自覚するようになった。筆者としては、みうらじゅんとともに街に埋もれたアートなものを見つけようという深夜バラエティ『シンボルず』(2007~08年)がとくに記憶に残る。ここでも、どうしても話が長くなりがちなみうらに対し、視聴者が飽きるタイミングを見計らって切り上げるのがMEGUMIの役回りであった。
思い立ったら即実行する彼女は、夫となる降谷建志にも積極的にアタックした。発端は交通事故に遭って入院したとき、病室で彼のPVを見てかっこいいなと思ったことだった。退院後、そのことをスタイリストの友達に話すと、彼のライブに連れて行ってくれ、さらにMEGUMIのハートに火がつく。そのとき初めて会った降谷に、当時やっていたラジオ番組にゲストで来てくださいと直談判した。さすがに緊張し、向こうの「何を言い出すんだ」という空気も感じたという。
《でも、言わないと相手には何も伝わらない。その事実には、割と早い段階から気づいていました。小学校時代から自分から告白していましたし、今でも『こういうお仕事がしてみたい』とか、感謝の言葉とか、ニュアンスで何となくわかってもらえるだろうとは思わず、考えはちゃんと口にするようにしています》(『anan』2017年1月25日号)
年始に作成する「事業計画書」とは
この発言にもあるとおり、仕事でもやりたいことははっきりと言葉にして伝えるよう心がけてきた。ある時期からは、年始には必ず“事業計画書”を書いて、マネージャーに渡している。彼女が自発的に始めたもので、渡し始めた当初はマネージャーもきょとんとしていたものの、だんだんやるべきことが明確になって、目標を共有できるようになったという。
事業計画書には、「1月ドラマ、3月〇〇監督の映画……」などとまだ未定の計画を書き込むこともある。最初はほぼ妄想なのだが、書くことでやるべきことは何かがはっきりするからか、どんどん叶っていくらしい。