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「師匠よりも熱意があると思います」プロ棋士としてデビューした新四段2人の“意外な共通点”とは…

「師匠よりも熱意があると思います」プロ棋士としてデビューした新四段2人の“意外な共通点”とは…

2023/10/01
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宮嶋 自分は受け将棋なので、粘り強く戦う姿を見せたいです。指したい棋士はお世話になった先生、特に澤田先生(真吾七段)にはこの3年間、ネット将棋を通して100局以上教わり、技術面でも精神面でも大きなアドバイスを受けました。棋士として改めて盤を挟んで教わりたいという気持ちがあります。

上野 得意戦法は矢倉で、郷田先生(真隆九段)の棋譜を並べているので、郷田先生に教わりたいですね。得意を磨くうえで、よく並べました。

師匠の言葉が支えに

――今期上がれた要因とは。

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宮嶋 もともと自分は長考派で、これまではタイムマネジメントがうまくいかずに負けたことが多かったんですけど、アドバイスを受けたりなど、いろいろなことがあって吹っ切れて指せたことが大きかったのかなと思います。

上野 ここ3期くらいはあと一歩というところが続いていました。技術面では三段で一番強いと思っていたので、精神面の勝負でした。今期は粘り強く指すことを意識していたのが大きかったのかなと思います。

――(上野に対して)同門の藤本渚四段に四段昇段を先を越されたことについては。

上野 特に藤本君に抜かれたのは、後輩だったこともあり悔しかったんですけど、それをバネにやっていくしかないなと思っていました。

――つらい時の支えになったこと、あるいは趣味やストレス発散方法などは?

宮嶋 家族にはずっとやりたいようにやらせてもらって、最後の方は「後悔がないようにしろ」と言われました。それで吹っ切れてやりたいようにやれたのはありました。趣味はスポーツ観戦で、ボクシングの井上(尚弥)選手や、F1の角田(裕毅)選手を応援しています。

上野 支えになったのは師匠(井上慶太九段)の言葉で、前回の最終日に昇段を逃した時も「上野君なら大丈夫」と何回も言ってくださいました。趣味はスポーツ観戦で、阪神タイガースの大ファンです。

 

――四段昇段後の抱負は。

宮嶋 奨励会に入った時はタイトルを獲りたいと思っていましたが、最後の方は棋士になれればいいやと思って過ごしていました。ただ昇段を決めてからは、これからもう一回頑張って、上で戦いたいなと思うようになりまして、タイトルに絡んで活躍できる棋士になりたいです。

上野 プロ1期目から活躍して、タイトルを獲りたいと思います。

宮嶋とは経歴が似ていることもあって注目していた

 両者それぞれをよく知る棋士として、澤田七段と井上九段から話を聞いた。