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「同級生、先輩、後輩はみんなすごいところに勤めていて、結婚していたり子どもがいたりする人もいます。そういう人たちと巡り会えたことは私の財産ではあるのですが、それに比べて俺はこうか……と思ってしまいます。SNSを見る限り、みんなキラキラ生活ですよ。だから、SNSを開くのは週に1回あるかないかぐらいです。

 もちろん、どの人の人生もすべてがキラキラした面だけではないと思うのですが、自分と比べてしまうんです。今、お付き合いをしている女性はいますが、結婚したとしても僕の収入では専業主婦にしてあげられません。早稲田の政経卒でこれかと言われたら、ごめんなさいという感じです」

それでも早稲田は自分のポジティブな部分を作ってくれた

 だが、同じ大学卒の人たちを羨む一方で、それが何なのかという気持ちもある。自分以外にも高学歴でも障害者雇用で働いている人はいるし、その中でやれることを頑張っていけばいいのではないか、とも感じている。

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「僕にとって早稲田卒は自分のアイデンティティの一部になっているんです。それを取り上げられたら僕はもう僕じゃなくなるんじゃないかくらいのテンションなんです。社会人になってからは自分が早稲田卒だとわざわざ言うことはないのですが、自分のポジティブな部分を作ってくれたのは早稲田のおかげなんです。

 優秀な大学だと褒めてもらえる、認めてもらえることがあるから、自分を肯定できるようになったのだと思います。それに、そこで出会った恩師や良い友人に巡り会えたことが嬉しいんです。だからこそ自分も頑張らないといけないと思っています。学力のステータスがどうこうではなく、私は早稲田大学が大好きです」

 早稲田卒であることがアイデンティティとなり、そのことが前向きな自分に繫がっている。ときには人を羨むこともあったとしても、自分なりの道を歩んでいけることを切に願っている。

※当事者への取材原稿についてはプライバシー保護のため氏名や年齢、事実関係を一部変更している箇所があります。