10年間で約1.6倍…不登校の数は社会の不安・ストレスのバロメーター

 2020年度の文部科学省の調査によれば、全国の小・中学生のうちで「長期欠席者」は約29万人。文部科学省が定める「長期欠席」は、年度内に30日以上登校していないことを意味します。全国の小・中学生の約3パーセントが年間30日以上学校に通っていないということになります。

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 そのうち、「何らかの心理的、情緒的、身体的、あるいは社会的要因・背景により、児童生徒が登校しないあるいはしたくともできない状況にある者(ただし、「病気」や「経済的理由」、「新型コロナウイルスの感染回避」による者を除く)」を、文部科学省では「不登校」に分類しています。その数、約20万人。2010年からの10年間で、不登校の数は約1.6倍に増えています。

 さらにデータをよく見ると、特に2012年度からの増え方が激しいことがわかります。東日本大震災の影響はあるでしょう。震災以降の宮城県の不登校数を調べると、震災直後よりも少し時間をおいてから増え始め、その状態が長期化することがわかっています。似たことが全国規模でも起きているとはいえないでしょうか。そこで1995年の阪神・淡路大震災のころを見てみるとやはり、その後不登校の数が急増していることが確認できます。

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 不登校の数は社会の不安・ストレスのバロメーターかもしれません。だとすればコロナ禍で、今後不登校は増加することが容易に予測できます。

 では、不登校に至るには、具体的にどのようなケースがあるのでしょうか。