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「不登校」ではなく「ホームスクール」という選択

 それぞれのケースの後日談は拙著『不登校でも学べる』(集英社新書)で詳述していますが、結論だけを言えば、いずれのケースも、いちど学校との距離をとり、居心地の良い場所や心地いい学び環境を設定することで、不登校は解消していきました。

 たとえばアメリカでは「学校に行かない=ホームスクール」という認識なので、「不登校」という概念がありません。日本でも、「学校に行けない」のではなくて、「学校以外の場所で学ぶという選択」がもっと前向きに認められるようになるといいのではないでしょうか。日本でも、積極的な意味でホームスクールを選択するひとたちがいます。

 ホームスクールといっても、親が教師になりきって、学校のように時間割をつくって授業を行うわけではありません。

「ホームスクール&ホームエデュケーション家族会」のあるスタッフの家庭では、家で家事や生き物の飼育観察などの体験学習を中心に行いながら、週に1度は学校の校長室に登校し、週に1度は「教育支援センター」に通い、ときどき「フリースクール」にも通うスタイルにしていました。いわば、使えるものは何でも使う、パッチワーク型です。

「教育支援センター(適応指導教室)」とは、学校以外の場所や学校の余裕教室等において、学校生活への復帰を支援するため、児童生徒の在籍校と連携をとりつつ、個別カウンセリング、集団での指導、教科指導等を組織的、計画的に行う組織のことです。

 不登校児童生徒の支援の中核として、文部科学省は全国の自治体に「教育支援センター」の設置を呼びかけています。ただし、全国の自治体での設置率は約6割に留まっています。設置されていても、有効に活用されているかどうかには大きな疑問が残ります。

 最近ではインターネット上の仮想空間に設置されたバーチャルな教育支援センター「room-K」というサービスも登場しています。認定NPO法人の「カタリバ」が運営し、全国の自治体へのサービス提供を始めています。

 神奈川県の私学協会は県下の私立学校に在籍する生徒のために、神奈川私学修学支援センターを設けました。私立の教育支援センターといえます。