「これで最後かな。みんなさようなら」

 摂食障害によって34キロまで痩せたタレントの関あいかさん。そんな彼女が医者から「死んじゃうかもしれないよ」と言われたにもかかわらず、“命懸けの整形手術”に挑んだ理由とは?

 彼女が摂食障害・過食嘔吐に至るまでの道を描いた新刊『摂食障害モデル 165センチ、32キロだったわたしへ』(彩図社)より一部抜粋してお届けする。(全2回の2回目/前編を読む)

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過食嘔吐で34キロまで痩せたなか、命懸けの大手術に挑んだタレントの関あいかさん(写真:本人提供)

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命懸けの大手術

 そんなボロボロの状態で、私はまた新たに整形手術を受けることを決めた。顔の骨を切って骨格自体を矯正するという、とんでもなく危険な大手術だ。

 元々ずっとやりたかった手術で、そのためにコツコツお金も貯めていた。本当は韓国に行ってやるはずだったけどコロナのせいでそれもできなくなって、大急ぎで日本の病院を探して予約していたのだ。

 カウンセリングの時、病院の先生にはかなり怒られたし、説得もされた。冷静に考えれば当たり前だ。全身麻酔に耐えるためには最低でも40キロは欲しいと言われていたのに、その時の私は34キロしかなかった。

「最悪の場合、身体が耐えきれなくて死んじゃうかもしれないよ。もう少し体調が安定してからでいいんじゃないの?」

 完全に正論だしおっしゃる通りなんだけど、私は「絶対にいまやりたいです」と言って譲らなかった。ただでさえ、ずっと受けたかった手術がコロナで延期になってしまっているのだ。これ以上我慢はしたくなかった。

 もっと言えば、「別に死んじゃってもいいかな」という思いもどこかにあった。こんなに毎日しんどい思いをするくらいなら、ここで終わりにしちゃうのも悪くない。先生は「考え直したら?」と言うけど、私にしてみれば考えれば考えるほど、手術を諦める理由はどこにもなかった。

 私が一歩も譲らなかったので、最終的には先生からGOサインが出た。

 これで最後かな。みんなさようなら。

全身麻酔で深い眠りに落ちた関さん(写真:本人提供)

 迎えた手術の当日。恐怖と言うよりはむしろ大きな安心感に包まれながら、私は全身麻酔の深い眠りに落ちていった。