2020年、YouTubeの人気企画「チキンナゲットを2人で100個食べ切る」を真似たことで、食べて吐くことが“快感”なってしまったタレントの関あいかさん。異常とも言える行動を続けてしまった、彼女はどうなってしまったのか?
現在26歳になる彼女が摂食障害・過食嘔吐に至るまでの道を描いた新刊『摂食障害モデル 165センチ、32キロだったわたしへ』(彩図社)より一部抜粋してお届けする。(全2回の1回目/後編を読む)
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YouTuberデビュー
お店を千葉に移すまでの準備期間のあいだに、私はYouTuberとしてデビューすることになった。リョウさんに「僕が事務所を立ち上げるから、やってみない?」と説得されて、始めることになったのだ。
ひとりでは自信がなかったから、友達のマイカちゃんも誘って2人でチャンネルを立ち上げた。『あいまいスラング』って名前で、今も検索すれば普通に出てくるはずだ。
このYouTubeが原因で、私の生活は人生で一番の地獄に突入していくことになる。下剤も克服して、健康な生活を目指して頑張っていこうと思っていた矢先に、それまでとは比べものにならないほどのキツい摂食障害に陥ってしまったのだ。
大量に食べて、大量に吐く。リョウさんとの暮らしのなかで初めて私に出た「過食嘔吐」と呼ばれるこの症状が、ついにピークを迎えた。私の身体と心は、この過食嘔吐によってすさまじい速度で壊れていった。
きっかけは、「チキンナゲットを2人で100個食べ切る」という企画だった。いわゆるYouTuberっぽい、分かりやすい企画が好きなマイカちゃんが持ってきてくれた企画だ。
結果から言うと、この動画は完全に企画倒れになってしまった。私もマイカちゃんも用意されたナゲットを思ったより食べることができず、どうしようもないほどグダグダになってしまったのだ。
「一見食べられなさそうな子が完食するから、みんな面白いと思って見るの。わかる? 食べられなさそうな子が本当に食べられなくてどうすんの? これじゃ全く話になんないから」
撮影後のミーティングで、スタッフさんにかなり怒られた。