ボーが教えてくれた、5歳の頃からの夢
ボー・タカハシの「bot」を名乗る自分が何者かを本人に告げることができ、ようやく取材を始める準備が心の中でできた。
ボーが西武に加入してから2シーズンをじっくり追いかけ、聞きたいことがたくさんある。取材時間が限られるなか、15個の質問を用意してきた。
ーー中継ぎ投手は、毎試合どのタイミングで登板になるか分からないと思います。普段の試合前や試合中は、どんな準備をしているのですか?
「中継ぎの投手は一人ひとり、それぞれのルーティンがある。自分はストレッチとかタオルピッチング、シャドーピッチングをして、いつでもいけるように準備しているよ」
ベルーナドームへ観戦に行くと、決まって試合序盤にボーがブルペンに向かい、タオルピッチングやシャドーピッチングする姿をよく目にする。本人の説明を聞き、マウンドで投げ込む豪速球はこうした入念な準備に裏打ちされているのだと伝わってきた。
ーーボー投手は打たれてしまった試合や、失点した後はどう切り替えていますか?
「自分としては、その時、その試合で全力を尽くしたという自信があるんだったら、失敗したとしても仕方がないと考えている。その失敗を引きずるのではなく、次から向上するという気持ちを持つことが重要だと思っているよ」
失敗しても気持ちを引きずることなく、前向きに捉える。底抜けに明るい性格のボーらしい回答だなと感じた。
ーー今後、ボー投手はどんなピッチャーになっていきたいと考えていますか?
「1イニングでも、2イニングでも、先発でも、チームの勝利に貢献できる事だったらなんでもしたい。チームの勝利に役立てる選手になりたい」
そう語ったボーの眼差しはとても鋭かった。どんな形であれチームに貢献したい、という思いがとても力強く伝わってきた。
ーーボー選手は、埼玉西武ライオンズという球団でプレーすることをどのように感じていますか?
「小さい頃からライオンズのファンだったので、本当に今、こうしてライオンズに入団し、プレーしている事は夢のように感じているよ」
ボーが小さな頃からライオンズファンであったことを初めて知った。好きな選手が、昔から自分が応援する球団のファンだったという事実は本当に嬉しかった。
ボーは私の質問に答えた直後、おもむろに携帯を取り出した。画面上で見せてくれたのは、当時5歳でライオンズキャップを被ったボー自身の写真だった。
そして、満面の笑みで言った。
「小さな頃からライオンズが大好きだったから、入団することが出来て本当に嬉しい」
幸せそうなボーの姿を目の前で見られて、以前からライオンズファンで、ボーが大好きな私も自分の事のように嬉しくなった。
ーー来年以降もライオンズでプレーしたいという気持ちはありますか?
「そうだね。チームや一緒にプレーする仲間たちのことを愛しているので、来年もライオンズでプレーしたいね。優勝に貢献したい」
来季もライオンズでプレーしたい。その一言を聞いて私は「ほっ」と胸を撫で下ろした。来季もライオンズのユニフォームに袖を通し、また元気にプレーしている姿を見たいと心の底から願っている。
絶対に聞かないといけない質問
20分の取材時間はあっという間にすぎた。これまで球場やテレビ、スマホの画面越しにボーの胸の内を想像するだけだったが、直接対話し、ボーの中継ぎ投手としてのこだわりや考え方、ライオンズへの想い、そして「ボータカハシ優勝bot」に対する印象など貴重な話を聞く事が出来た。
インタビューで最も印象に残ったのは、ボーは昔からライオンズが大好きだったということだ。マウンド上でいつも果敢に真っ向勝負を挑む裏には、ボーのライオンズへの強い想いがある。ライオンズファン、そしてボー・タカハシのファンである私は心を大きく動かされた。
感謝を伝えて取材を終える前に、どうしても直接聞かなければいけないことがあった。勇気を振り絞り、単刀直入に尋ねた。
ーー私はこれからも「ボータカハシ優勝bot」として活動していっても良いでしょうか?
「もちろんだよ。これからも是非続けていってもらいたい」
ボーはニッコリ微笑むと、即座にそう言ってくれた。勝手にボーのbotを名乗ってきた私は、本人から公認をもらう事ができて心底安心した。これからもボーとライオンズを応援し、今までのようにどんなときも前向きな発信を続けようと思う。
興奮と緊張、高揚感と不安が同居する中で始まったボーへの取材が終わった後、私の胸の中に広がっていたのは「あっという間に終わってしまったな」という気持ちだった。それほどボーとの世界に夢中になっていたのだろう。初めての取材を通して、ボー・タカハシという選手のことがより一層好きになった。
私はこの日の出来事を一生忘れない。これからもボー・タカハシを、そして埼玉西武ライオンズを「ボータカハシ優勝bot」として応援し続けていきたいと思う。
つまり優勝はボー。
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