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米の一大生産地・吉林省の田んぼも、農業用水路はゴミだらけ
米の一大生産地・吉林省・梅河口市の田んぼへ行っても、川のそばや農業用水路にゴミが捨てられていることに変わりはなかった。ゴムの長靴や農薬の空瓶は当たり前のように捨ててあった。下の写真はよく見ると、皮ジャンである。
衣料品まで放り込まれている農業用水の水質は不明だが、もはや毒性物質うんぬんの問題ではないだろう。近くに住んでいた農家の老女に、なぜ中国の畑にゴミが捨てられているのか尋ねると、こう即答した。
「他に捨てるところがないからね」
「意識の低さ」が深刻な土壌・水質汚染の温床に
「ゴミ捨て場を村で設置しないのですか?」
「そんなもの中国の田舎にはないよ。自分の家にゴミを置いておくと、ニオイとか気になるでしょ? だから、川へ捨てるのさ。農家は畑へ捨てないよ? でも、農家じゃない人はどこへでも捨てる。ゴミ処理場なんて都会へ行かないとないさ。なんで、ゴミをそのへんに捨てちゃダメなのさ?」
「農薬の瓶を川へ捨てると、汚れるでしょう? その水で食べ物を育てているのに」
「川は流れているから大丈夫よ。おかしなこと言うね(笑)。昔からみんなゴミなんて外へ捨てていたのよ。誰も悪いと言わなかった」
老女は胸を張っていた。ゴミを川や畑へ捨てることが当たり前なのだ。罪の意識がない分、躊躇がなく環境は破壊されてゆく。こういった意識の低さが中国全土に広がる深刻な土壌・水質汚染の温床になるのだろう。