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 これがきっかけで、しばらく関係がぎくしゃくしてしまいました。一緒に仕事をしても必要最低限の会話しかできなくなり、「俺はそんなに酷いことをしたのか……」と思い悩みました。その後、運良く2人きりで話せる機会があり、告白の件について謝罪すると、彼女は「信頼できる仲間だと思っていただけにショックだった」と語りました。このまま仕事がやりづらくなるのも嫌だったので、彼女には重ねてお詫びをし、なんとか普通の仕事仲間に戻ることができましたが……自分がしでかしたことの意味をちゃんと理解できたのは、もっとずっと後になってからのことでした。

「手相を見てあげる」と仕事相手から手を握られ……

 職場恋愛なんてありふれているし、仕事を通じて距離が縮まり、それが恋愛関係へと発展した例も世の中には無数に存在しているでしょう。うらやましいなと思います。正直めっちゃ憧れます(フリーランスに職場恋愛なし……)。なのでそれらを否定したいわけではないのですが、一方で先のような「何かと恋愛的な文脈で受け取る男たち」に困っている女性が数多くいることも事実です。

 事例に挙げた「クライアントと仕事の打ち上げで食事に行ったのに、いつの間にか口説かれていた」という会社員の女性は、そのときのことをこう語っていました。「まだ会社に入って間もない頃、クライアントの男性から、プロジェクトの打ち上げにと食事に誘われました。2人きりだったのはちょっと気になりましたが、私としてもいい仕事になったと感じていたので、今後の仕事にもつながるかと思ってぜひと応じました。最初は仕事にまつわる意見交換をするなど和やかなムードだったのに、途中から段々おかしな空気になっていきました。手相を見てあげると手を握られたり、ヒーリングと称して二の腕を触られたり、しまいには『もっとちゃんと施術できるよ』と彼のマンションに誘われ……。怖くなって帰ってきましたが、仕事では信頼できる方だっただけにとてもショックでした」

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写真はイメージ ©iStock.com

適度な距離感を保っておくほうがベター

 彼女は「私もうかつだった」と振り返ります。その後、似たような出来事を何度も経験したようで、今では仕事相手の男性と意識的に距離を保つようになったとか。

「経験上、空気を変えてきたら要注意だなと思ってます。例えばそれまで会社のメールでやりとりしていたのに、いきなり携帯に電話してきたり、日頃は簡素な文体でメールをくれる人が、『今度お食事にでも……』と、少し湿度のある言葉づかいをしてきたり、そういう空気の変化には敏感になりました。仕事の話をじっくり語り合ってみたいという思いはあるのですが、何かあったら怖いなって考えると、やはり適度な距離感を保っておくほうがベターだなと。ただ、食事の誘いをやんわり断り続けていたら態度が豹変し、仕事の発注が来なくなってしまったこともあるし、それを会社の上司に相談したら『君にも隙があったのでは?』と言われたこともあり……なかなか難しい問題だなって思います」