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「『ストレスがないこと』だけをルールに、小豆島でヤギと暮らす毎日です」――内澤旬子、乳がんを語る #2

内澤旬子さんインタビュー

2018/04/10

周りの人ががんになったら、どう力になれるか

──最近は情報も選択肢もありすぎて、どう対処すべきか一人で悩んでいる人も多いといいます。

 

内澤 私も、がんと宣告された当初はインターネットで情報を調べました。でもインターネットの検索機能って、ある意味自分に都合のいい情報が出てくるようにできてるじゃないですか。だから行き詰っちゃうことも多いんですよ。今は国立がん研究センターの「がん情報サービス」などもわかりやすく充実しているので、まずはきちんとした機関が出している情報を押さえることを薦めます。

 この記事を読まれる方は、ご自分ががんになる可能性もありますが、それ以上に周りの方ががんになる可能性もあると思うので、そうなった時にどう力になってあげられるかもぜひ考えてみてほしいと思います。

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東京にいた時のように「寂しい」と感じることはなくなった

──「身体のいいなりになって、心地いいことを探しながら生きていく」ことを決意し、東京を離れて小豆島に移住されました。島の生活はいかがですか。

内澤 ストレスフルに生きていた時とは打って変わって、心身ともに健やかになりました。今はどこも痛くも痒くもなく、夜は熟睡、朝の目覚めはすっきり、買い物にも気軽に行けるという、健康な人には当たり前ですが、私にとっては夢のような日々を送っています。

 ヤギを飼い、ヨガをして、ヤギのミルクから作ったヨーグルトや猪の肉の煮物などを近所の方たちに差し入れして野菜やおかずをおすそわけしていただくなど、孤独ではあっても、東京にいた時のように寂しいと感じることはまったくなくなりました。

©内澤旬子