でも、繰り返している。
「友達の中には別れた方がいいって言う人もいますけど、でも、別れてしまったら、今度は逆に相手の女の思う壺になるわけだし、負けみたいな気になっちゃうんですよね」
旦那に生理的嫌悪を抱くことはない
こう言っては何だが、たぶん相手の女たちも、彼女の夫を奪いたいと思っているわけではないだろう。早い話、夫も遊ばれている立場なのだ。妻として、自分の夫が、他の女にいいように扱われていることに対しての腹立たしさはないのだろうか。
「それは、馬鹿だなぁって思いますけど、真剣じゃないならいいです」
じゃあ相手の女が本気になって、別れてくれって乗り込んで来たら?
「もちろん受けて立ちます。私と対等に戦う気があるなら、かかって来いって感じですね。それ、旦那もよくわかってるから、バレたら即相手と別れるんでしょうね」
しつこく聞いてしまうけれど、そんな夫に生理的嫌悪を感じたりはしないの?
「生理的嫌悪ですか……」
浮気相手とあんなこともこんなこともした手で自分や子供たちに触らないで、とか。
「そこまではないですね。旦那とは今も週に1、2回はしてますし。だって、私が惚れた男ですから。なんだかんだあっても、旦那のこと、今も愛しているし」
浮気されても見捨てない女は、基本ヤンキー体質
たぶん、夫は可愛げのある男なのだろう。困ったことに、そんな男はいるものである。むしろ、常に夫に他の女の影があることで、恋愛的な感情を維持できているのかもしれない。
聞いているうちに、何やらすごくいい話になってゆくのが不思議である。
「結婚して、この人と添い遂げようと決めた以上、最後まで筋を通したいんです。女の道は一本道。一度決めたら、その道を邁進して、走り続ける。それならば、耐えるべきことは耐え、ひたすら愛し抜く」
まるで任侠の世界のよう。
「ああそうですね。その世界、私、大好きですから」
とはいえ、それはある意味、女が自立する術を持たず、男に従うしかなかった大昔の話のようにも聞こえる。
繰り返される浮気を許し続ける彼女は強いのか、それとも弱いのか。
「時々、芸能人の浮気騒動の記事が出るじゃないですか。そういう時、2種類あるでしょう。浮気されたら即切り捨てて離婚するタイプと、決して見捨てずに再構築を選ぶタイプ」
確かに思い浮かぶ顔がいくつかある。
「見捨てない女は、基本、ヤンキー体質だと思ってください。ヤンキーは情が深いんです」