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「ああ、マジックマッシュルーム? 普通に馬の糞とかに自生していますね」

 半信半疑だったが、噂は本当だったのか。昔は違法ではなかったから、好事家の中には見つけて食べる者がいたという話は聞いていた。しかし、馬の糞に生えているものなど汚くて誰も興味がないのではないか?

写真中央の与那国島にて馬のソレに生えるマジックマッシュルーム(写真:筆者提供)

「いや、そんなことないですよ。キノコ目的の怪しい旅行者がいっぱいいるんです。与那国ってとくに遊ぶ場所もないし、辺鄙なところじゃないですか。そんなところにひとりで来るっておかしいですよ。島には二つの駐在所しかないから安心して遊ぶことができると勘違いしているんじゃないですかね」

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 私の疑問に、後輩は笑いながら答えてくれた。

石垣島の病院に搬送される観光客も…

 後輩によると、島民はマジックマッシュルームには全く興味がないらしい。むしろ、こんな形で質問してきたのも、私が初めてだと言っていた。

 その他の者にも話を聞いたが、やはり興味本位で隠れて手にする観光客は後を絶たないとのこと。中にはキノコがキマりすぎて錯乱する者もおり、石垣島の病院に搬送される者も年に1人や2人ではないという。

 繰り返すが、マジックマッシュルームの所持・使用は法律で禁じられており、強烈な幻覚作用があって非常に危ない。好奇心で観察するぶんには構わないが、旅行気分で浮かれて手を出したりしては絶対にいけない。