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 広場の周囲は雑居ビルが並んでいて、このあたりはごく普通のベッドタウンのターミナル。ただ、そのうち一番目立つ一角は、仮囲いができていてクレーンが中でうごめいている。再開発、というヤツだろう。もともとここには、青梅中央ビルという雑居ビルがあった。

 さらに、駅前から南に向かう大通り沿いには、かつてスーパーの長崎屋も入っていた青梅共栄ビルもあったが、こちらも解体済みで何やら工事中。青梅駅前は、“昭和レトロ”から生まれ変わろうとしているのだろうか。

旧青梅街道を越えると一気に坂が…

 駅前通りを少し歩けば、東西に走る通りとぶつかる。ここが、旧青梅街道である。昭和レトロな青梅の町は、旧青梅街道沿いの宿場町の面影がはじまり、昔ながらの商店の建物がそのまま残っているところが多く、全体的にレトロな町並みになっているのだ。

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 昭和レトロを観光の目玉とする看板は下ろしたものの、別に町並みそのものが変わったわけではない。だから、旧青梅街道沿いを歩くと、東京の他のベッドタウンとは少し違った雰囲気が漂う。都心から少し離れた場所にあるからなのか、山が近いところだからなのか。空襲被害などを受けていない、というのもレトロ感が残っている大きな理由になっているにちがいない。

 

 青梅の町が平地なのは、駅前から旧青梅街道までの間に限られる。そこから南側は、急な下り坂になっている。大きな道は、駅の西側の現青梅街道(国道411号)があるのが目立つくらいで、ほかはほとんどがクルマが通れるかどうかというくらいの路地ばかりだ。住宅地の中の路地をくねくねと下ってゆくと、旧青梅街道など比較にならないくらいに大きな道に出る。こちらが、現在の青梅街道だ。

 さらにそこから南側にも下り坂の路地。そこを下れば、これまたくねくねと蛇行しながら流れている多摩川沿いだ。鮎美橋という名の人道橋の向こうには公園やホテルなども見える。河川敷には釣り人の姿も。鮎美橋というからには、鮎でも釣れるのだろうか。