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《渋谷ハロウィーンルポ》「ぶっちゃけ1年に1回だから許してよ」“本気の厳戒態勢”の街にそれでも来ちゃったレイヤーたちのホンネ「露出が多いからかわからないんですけど、職質されて」

source : 週刊文春Webオリジナル

genre : ニュース, 社会

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消えた仮装の若者?

 28日夕方、渋谷の街は人こそ多いものの、仮装姿で練り歩くひとはほとんど見当たらない。

「渋谷のハロウィーンはやっぱり楽しいですよ。でも今のところコスプレしている人はあまりいないですね。渋谷区が『来ないで』と言っていたの知っているので当日(31日)は避けました。今回は初めて渋谷に来たから、コスプレを楽しみたかったんですけどね。やっぱり他の人と写真を撮るのは楽しいし、可愛い子もいっぱいいる。当日は控えるから許してほしいです」(漫画『NARUTO』のキャラのコスプレをした男性)

中国人の男性は「顔を隠したい」と、お面を付けたキャラクターの仮装を選択 ©文藝春秋 撮影・上田康太郎

 毎年渋谷でのハロウィーンイベントを楽しみにしているという20代の会社員男性に話しかけるともの寂しい様子でこう語った。

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「今年の渋谷はシブいですね。コスプレしている人を眺めるだけの傍観者みたいな人ばっかりで全然盛り上がってないし、冷めてます。もっと盛り上がってると思っていたけど、いつもの週末の渋谷とたいして変わらないです。渋谷区の呼び掛けは知っていたけど、ぶっちゃけ1年に1回だから許してよ、とも思います。女の子と写真撮って、仲良くなりたいなっていう感じです、頑張ります」

 単行本が500万部を突破し、今年4月からはアニメ放送も配信され世界中で人気を博し、まさに今年のトレンドともいえる『推しの子』(週刊ヤングジャンプ)に登場するキャラクター「星野アイ」に扮する女性も今回のハロウィーンは例年とはまた違った印象を受けたという。

今年のヒット作品「推しの子」から星野アイ ©文藝春秋 撮影・上田康太郎

「今年は海外の観光客の人ががっつりコスプレをしていて、日本人はお面とか被り物とか控え目な仮装をしている傾向です。渋谷区が強くNGを出したのが影響しているのか、去年とは違ってみんな大人しい。

 私はTikTokを撮りたくて来たんですが、警備員の指示に従って同じ場所に留まらないよう注意しています。もちろん路上で飲酒も喫煙もしないです。

 せっかくハロウィーンの雰囲気を楽しみたい人が多くいるのに、区が禁止の方向にもっていこうとしているのは本当にもったいない。マナーの悪い人にだけとことん罰を与えればいいんじゃないんですかね。ハロウィーンイベント自体をやめさせる以外の選択肢も考えてほしいなと思います」

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