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商業ビル群に背を向けて反対の西口に出ると…

 反対の西口に出ると、こちらは自由通路から直結の商業施設・トツカーナ。戸塚だからトツカーナという、あからさまなダジャレではあるが、その中には東急プラザも入っていて、お隣には横浜市戸塚区の区役所も建つ。トツカーナの中を抜けると大きなバスターミナル。その脇を国道1号、東海道が通っている。

 
 
 
 

 かつての戸塚宿も、まさにこのあたり一帯、国道1号沿いにあった。江戸時代には、70以上もの旅籠が軒を連ねていて、その数は東海道五十三次の中でも小田原に次ぐ規模だったとか。城下町でもある小田原に対し、戸塚はただの宿場町。

 
 

 大山方面への分岐点になっていたというが、それでも城下町とは規模が違う。戸塚は、東海道でも指折りの大宿場だったといっていい。そうした歴史を思えば、戸塚駅の周りが賑わっているのも実にとうぜんのことなのだ。

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デッキを降りて川を渡る。少し歩くとすぐに上り坂が見えてきた

 戸塚駅の周辺をもう少し歩く。東口のペデストリアンデッキを降りて、すぐ目の前にある橋で柏尾川を渡る。その先にあるのはアピタという商業モール。他にも商業施設やスポーツセンター、学校の類いがここぞとばかりにひしめき合い、大きなマンションも建ち並ぶ。

 

 少し駅から離れたところまで歩いても、大通り沿いはクルマも人も途切れることがない。戸塚という町が、380万都市・横浜において大きな地位を占めているのであろうことがよくわかる。

 
 
 

 戸塚はかつての宿場町も、また戸塚駅や東海道本線も、柏尾川沿いの谷間に集まっている。トツカーナもラピス戸塚も同様だ。逆に言えば、南北に流れる柏尾川沿いから東や西に進んでいけば、どんどん高くなる上り坂、ということになる。

 

 実際に駅の東側を歩くとそれがよくわかる。アピタ戸塚店の脇の道から少し平坦な道を歩くと、すぐに上り坂になる。坂の途中には税務署があったりして、そのさらに先には丘の上のマンション群。

 それは反対の西側でも同じこと。まったくわずかな谷あいに、昔も今も戸塚の中心市街地はぎゅっと集まっている。かつてはただの丘陵地だった山裾が、いまは開発されて住宅地になって、人口約28万人という戸塚区を支えているのだ。