「湘南」の範囲がどこからどこまでなのかは、たびたび話題になる(と思います)。大磯という町が“湘南発祥の地”といえるというお話は、以前大磯駅を訪れたときに判明した。が、それとても湘南の範囲を定める物ではない。
まあ、あれこれ御託を並べたところで湘南のイメージは圧倒的に海である。海であるからして、相模湾沿いの町々はだいたい湘南エリアに属しているといっていいのではないか。神奈川県の定める湘南地域には内陸の伊勢原や秦野なども含まれているようだが、申し訳ないけれど湘南っぽくはない。やはり相模湾沿いが湘南である。
となると、次は湘南の中心はどこか、という命題である。人口面で言えば、圧倒的1位が藤沢市。江の島という湘南のシンボルも藤沢市内にあるし、確かに藤沢というなら納得できそうだ。
ライバルになりうるのは、茅ケ崎か平塚か。茅ケ崎にはサザンオールスターズがあるし、平塚は神奈川県湘南地域県政総合センターの所在地(つまり公的な“湘南の中心”)である。人口は、どちらも25万人前後でどっこいどっこい。さて、みなさんはどこが湘南の中心だと思いますか……。
JR“ナゾの箱根駅伝中継所の駅”「平塚」には何がある?
と、問いかけたところで今回の舞台は平塚である。平塚駅は東京駅から東海道線に乗って約1時間、藤沢駅からは10分ちょっと。25万都市平塚市の玄関口だ(平塚市内にある唯一の駅である)。
昼間の東海道線は1時間に8本運転されていて、そのうち3本が平塚止まり。さらに、東京駅を出る最終の東海道線は平塚駅が終点だ。酒に飲まれて飲んで終電で眠りこけてしまったら、平塚駅まで連れていかれてしまう、というわけだ。すなわち、平塚駅は東京・横浜方面から見て“終着駅”という存在でもある。