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「平塚中継所」はどこにある?

 西口の自由通路を渡って線路の南側に出ると、こちらはうってかわって住宅地としての性質が強くなる。駅前にはラスカ平塚南館があり、ちょっとした駅商業施設の役割を果たす。他にも駅前ロータリーの脇にコメダ珈琲があったり、商業ゾーンの面影もなくはない。

 

 ただ、そうしたエリアは駅前のほんの狭い一帯に限られていて、全体的には平塚駅の南側は住宅地。北側の商業ゾーンとうまく棲み分けられているのだろう。

 
 

 ちなみに、この南口からさらにずっと南に歩いて行けば海に出る。海沿いの森の中を通っているのは国道134号で、箱根駅伝のコースはこちら。平塚の海を見ながら走って花水川を渡った先に平塚中継所が設けられている。

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 平塚の町は、いうまでもなく東海道の平塚宿がルーツだ。平塚の宿場町の中心は平塚駅前とは少し離れた西側にあった。駅からは歩いてざっと20分といったところだろうか。明治に入って1887年には平塚駅が開業するが、わざわざ宿場の中心から離れた場所に置かれたということになる。

 ただ、駅の近くにも町があった。古くからの平塚宿の中心(本宿)に対して、“平塚新宿”と呼ばれる比較的新しい市街地だ。平塚駅は平塚新宿の近くに設けられた。いまの平塚駅北口から西にかけての旧東海道沿いの賑わいは、平塚新宿の系譜を引く繁華街なのだ。この平塚新宿、しんじゅくではなく“しんしく”と読むそうだ。そしてそれが、ピンサロ街の「しんしく横丁」に転じている。