ホームから階段を登って改札を抜けると…
そんな平塚駅、ホームから階段を登って改札を抜けると、待ち受けているのは駅ビル「ラスカ」。ラスカといったら茅ケ崎など湘南エリアの駅ビルとしてすっかり定着している。その第一号が、平塚のラスカだ。
ラスカ平塚は、1973年にオープンした(つまりいまの平塚駅舎もそのときから使われているもの)。当時の国鉄の駅ビルは、入居するテナントを中心に民間から出資を受けて運営される“民衆駅”がほとんどだった。戦争で荒廃した駅舎を再建するにあたって、国鉄には資金が乏しかったために取り入れられた手法だ。
平塚駅も当初はその手法で駅ビルを建てようと目論んだが調整がつかず、最終的に国鉄も出資する形で運営会社を設立してラスカ平塚をオープンさせた。国鉄が出資した駅ビルでは第一号である。
そんな駅ビルが、改札のすぐ隣で口を開けて待っている。中を通らねば外に出られないのではないかと勘違いしてしまうほど、ラスカの存在感は大きい。開業まもない頃、駅のお客の35%がラスカを訪れていたそうだ。
それが多いのか少ないのかはわからないが、当時の国鉄の機関誌などからも至極順調だったことがうかがえる。これに味を占めたのか、国鉄はその後も自ら出資する駅商業施設を生み出していく。その行き着いた先が、いまのルミネやアトレ、というわけだ。
階段を降りて北口に。目に飛びこんできた“長い行列”と“八王子っぽい空気”
ラスカの入り口の間から階段を降りると、平塚駅の北口に出る。駅前には広大なバスのりば。東海道線沿線から秦野・伊勢原方面(内陸部)へのバス路線のターミナルになっている。長い列ができているのりばもあり、とにかく人が多い。