俳優から芸人まで芸能界のファンも多い「MOROHA」のMCであり、テレビCMのナレーションなども務めるアフロ(35)。普段ステージ上で熱いメッセージを飛ばす男が、初主演を務める映画「さよなら ほやマン」が11月3日より公開されている。
同作は宮城県にある離島を舞台に、漁師の兄弟と東京から来た漫画家との交流を描いた作品で、アフロは震災で両親を亡くし、弟と暮らす漁師・阿部アキラを演じる。撮影にあたり船舶免許を取った“新参者”としての覚悟、さらにほつれかかっているという自身の家族への思いを明かした。(全3回の1回目/続きを読む/※インタビューは2023年10月11日に行いました)
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一つのことをやることはいつも迷う
ーー映画初主演おめでとうございます。映画のオファーってこれまであったんでしょうか? あっても断ってきたんだろうなって想像してました。
アフロ いや、オファーなかったですよ。でも、そういうことにしたい。かっこいいんで。
ただチキンラーメンの着ぐるみのCMだったり、ナレーションの仕事もそうですけど、一つのことをやるってことは、一つやらないってことにもなるし、迷いますね、いつも。今回も台本にいきなり「ほやマン」ってデカデカと書いてあって。その時は返そうと思いましたけど。ワハハ。
ただ台本の中を見たらすごく重厚だったし、演じたアキラというキャラクターで、俺は歌詞書けそうだなと思ったので受けました。俺の中の部分と、アキラの部分がちゃんとかぶるところがしっかりある。それなら期待に応えられるかなと思って。
映画のために船舶免許を取得
――演技経験がほぼない中でいきなり映画の主演というのはどうでしたか。
アフロ まず逆の立場、役者さんが音楽をやりますとなって、同じイベントに出るってなった時に俺は「なんぼのもんだ」ってなるだろうなって考えて。だから、そういう視線に応えられるだけのものを培ってから現場に入らないと、現場チームの人たちも同じく考えてしまうかもしれない。
なので、しっかり練習して、それこそ船舶の免許も取りました。役作りという意味合いもありつつ、現場チームに「ミュージシャンが俳優の畑に来たけど、ちゃんと向き合うつもりで来たんですよ」って証明するためのお土産のつもりで。