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「テレビを壊して7回購入」「事件前日、家賃を初めて滞納」埼玉・立てこもり老人(86)が事件直前に見せていた「異変」

source : 週刊文春Webオリジナル

genre : ニュース, 社会

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 埼玉県蕨市の郵便局で拳銃を持った男が2人の女性郵便局員を人質に立てこもった事件。約8時間にわたる長期の攻防戦は、警官らの突入で幕を終えた。人質強要処罰法違反容疑で逮捕されたのは、郵便局近くのアパートに住む鈴木常雄容疑者(86)だ。

立てこもり現場となった郵便局周辺。翌日も規制線が敷かれていた ©文藝春秋

 近隣住民には普段は温和な表情を見せながらも、時折激高して怒鳴り声をあげるようなトラブルがあった鈴木。周囲には自身の腕に彫られた刺青を見せるなど強面な一面をのぞかせていたが、実際に過去には警察の世話になったこともあったようだ。全国紙記者が話す。

「実は鈴木容疑者は1991年にトラブルを起こし、警視庁に逮捕されたことがあるのです。その際には鈴木容疑者は『自分は住吉(会、指定暴力団)の者だ!』とイキっていたといいます」

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立てこもり事件で逮捕され、埼玉県警蕨署に入る鈴木容疑者 ©共同通信社

郵便局に恨みを持った“一因”

 今回の事件を起こした動機とされるのは、鈴木と郵便局車両との交通事故。鈴木の自己主張の強さは、このときにも垣間見られた。

「この交通事故は結果的には物損事故として処理されたのですが、どうもこの時に鈴木容疑者は『怪我をした』と言い張ったようなのです。この言い分が通らなかったことが、郵便局に恨みを持つ一因となったのではないかと言われています。また病院への恨みについては、鈴木容疑者ががんを患い通院していたようで、診療の対応を巡りトラブルになっていたとみられます」(同前)