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「テレビを壊して7回購入」「事件前日、家賃を初めて滞納」埼玉・立てこもり老人(86)が事件直前に見せていた「異変」

source : 週刊文春Webオリジナル

genre : ニュース, 社会

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「この10年で人柄ががらりと変わり…」

「もともとは優しい人だったんですが、この10年で人柄ががらりと変わり、ある時『お前んちとはもうかかわりたくねえから』と言ってきたんです。テレビも投げるし、『俺はここを刺されたんだ』と腹の傷を見せてきたこともあります」

 そんなテレビ投げのツケを払わされていたのは鈴木の妻だったようだ。妻が行きつけにしていた別の電気屋の店主が話す。

「うちには2008年から3年間、妻がいつも一人で来ていました。まだ40歳前後ぐらいで腰が低く、化粧が薄い美人な方でしたよ。妻は『夜にお酒を飲んで喧嘩すると、夫がテレビに向かってリモコンを投げて壊しちゃうんだ』とたびたびテレビを買いにくる理由を話していました。1年半の間に購入した台数は7台。大体7万円前後の売れ筋のモデルでした。他にもリモコンやDVDの機器も壊してしまうことがあったようで、2年間で合計80万円以上もの商品を購入していました。ちなみにカード払いの時は、妻名義のクレジットカードを使っていましたね。毎回買っても結局壊されてしまうからか、7回目に買ったテレビはワンサイズ小さい4万7000円のテレビでした」

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妻が行きつけだった電器屋での購入履歴。液晶テレビを7回購入している

 そんな鈴木の姿に愛想をつかしてしまったのだろうか、間もなく妻が店を訪れることはなくなったという。事件を起こす直前には金に余裕がなくなっていたのか、リサイクルショップの電化製品の販売エリアを物欲しそうな目で歩く姿が店員に目撃されていた。

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