仕事的な人間関係や音楽を離れて気持ちよくプレイできた
――ふたりは、なぜ気が合ったのでしょうか。
GAKU 単純にサッカーが好きなことが大きいです。会っても音楽の話はほとんどせず、サッカーの話しかしないんですよ。
あと、時期的なものも大きかったと思います。僕は、ソロになって曲作りがいつも頭にあって、家族でご飯を食べている時も、テレビを見ている時も、常に韻を踏むことを考えていました。頭が疲れるんですけどやめられない。
でも、サッカーをしている時は曲作りを忘れられた。動いて、疲れて、よく寝られたんです。そういう意味でも、サッカーが欠かせないものになっていました。
桜井は、最初に話をした時、公園でひとりでプルアウェイの動きを練習している、というんです。普通、ひとりじゃプルアウェイなんてやらないですよ。
あれだけヒットを飛ばしているし、周囲も気を使う部分はあると思うんですけど、ピッチ上ではみんな平等なんです。仕事的な人間関係や音楽を離れて、お互いに楽しく、気持ちよくサッカーをすることができたので、一緒にいたんだと思います。
サッカーが嫌いになったのに「マイアミの奇跡」を見て……
――そのサッカーですが、高校時代にサッカー部をやめています。またサッカーを始めたのは、何かきっかけがあったのですか。
GAKU きっかけは、「マイアミの奇跡」です。高1で部活をやめた後、サッカーがすごく嫌いになって、テレビで試合をやっていたら即消していました。
でも、アトランタ五輪のときは、なぜか日本代表の試合を流しながら見ていて。ブラジルが相手だし、どうせボロ負けするんだろうなって思っていたら、日本が勝ったんです。その時、なんか泣けてきて……。
僕が嫌いになったサッカーは、ブラジルに勝つところまできたのかって思うと、気持ちが盛り上がって、急にボールを蹴りたくなりました。それまで遮断していたものを一気に取り戻そうと思って、そこからはサッカーばかりしています。自分の交友関係が広がり、人生を楽しむことができたので、ほんとサッカーには感謝です。
撮影=細田忠/文藝春秋
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